筋が通らぬ共謀罪の与党対応
共謀罪というのは、「思想は罰せず」という法理論の大原則に背くだけでなく、それが拡大解釈されれば、警察の恣意で言論の自由を制約することにもなりかねない法案であるだけに、慎重審議を要する法案である。
この法案を巡る与党と民主党の対立点は、適用される犯罪の範囲と、国際的な組織犯罪に絞るかどうかの点にあった。
自民党は「民主党案を丸呑みにしても今国会で成立させたい」と、とにかく成立に重点を置いた姿勢に転じたのか、と思えば、その傍らで、「一旦通しておいて、来期国会で修正すればよい」とか「民主党案では条約の批准条件をクリヤ−しないから、批准はできない」とかの話が飛んでいるのだ。
そこのところがさっぱりわからないし、もし、この話が本当なら、民主党をペテンに掛けようとしたことになるのである。
民主党が採決に応じないというのも当然であろう。こんなペテンに引っかかって、民主党がほいほい法案を通せば、いよいよ「民主党は貧して鈍した」という烙印を押されることになりかねないからである。
与党は、批准条件をきちんと説明する必要がある。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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