「蟻の一穴」という諺があるが、核拡散防止に躍起になっているはずのアメリカが、インドの原子力エネルギ−開発に協力するばかりか、日本にも協力に同調することを求めてきている。
 インド、パキスタンは、核不拡散(NPT)にも加盟せず、核兵器を開発、保有したことを非難されて経済制裁を加えられてきた国であるが、テロとの戦いへの協力や経済成長が期待される有望大市場を持つ国だからか、いつの間にか米国の友好国化しているのだ。
 これでは、米英仏などがイランや北朝鮮に核開発をやめさせようとさまざまな圧力を掛けても、全く示しはつくまい。核兵器は作ってしまえば勝ちだ、ということになるからである。
 米国は、こうして核兵器拡散防止の防波堤に穴を開ける愚行を続けるのである。
 ましてや、唯一の核の被爆国であり、核兵器の絶滅を願う日本に、このような同調を求めるなどは言語道断、バカにするにもほどがあると言いたい。
 こんなことに、良い返事をするから、日本は自己主張も意見も持たぬ阿呆な国だと言われるのである。
 村上新八