Re: 憲法論と政治
お初にお目にかかります。
> 権限や力と言う表現をしないならば、国民主権の国では私たち国民が国
> の所有者(*)と考えてもよいでしょう。所有者であるならば国の従業員にし
> っかり働いてもらい、その中からできるだけ「利益」(**)をあげていいはず
> であります。国会議員さん方や内閣総理大臣殿はいわば、従業員なわけ
> ですね。このようにして、私は、日本国家を<国民が「利益」をあげる母体>
> と認識する方法を提唱したいと思います。
ここに会社があるとして、社長がおり、従業員がおり、株主がいる。
国家を法人に例える説がありますが、それに習えば「国民=株主」となり、
会社としての国家の為に、執行機関(取締役)、公務員(従業員)のため、
最大利益を上げるのが当然と仰ってみえるわけですね?
いやまぁ、敢えて提唱しなくとも、国家法人学説という学説が、
ほぼ似たような事を言ってます。ただ問題は、国民主権が、
所詮「建前」に過ぎない点にあるわけですよ。
そして、現実の国民の権限と建前に混乱があるわけです。
例えば、株主は権限を持ちませんね。株主が会社のものを盗めば、
れっきとした窃盗罪が成立します。これが意味するのは、
「国民は国家の財産の一切に管理処分権限を持たない」という事です。
つまり国家を法人のようにとらえるとすれば、会社の設立(国家の設立)の
最も最初の部分で株主(国民)は重要な役割を果たすのだけれども、
その後には、一切の権限が奪われ、国民主権という名の「建前」だけが残る。
ここで大混乱が起きるんですよ。意図的に起こす人もいるんですが。
国民主権が「建前」というのが現実で、せいぜい選挙で曖昧に意思表示する、
間接的な権限しか有しない現実に「我慢できない」人がいるわけですよ。
国民主権とはその名の通り、国民が主権者であるのだから、
「管理処分権限も持つべきだと」とこうなるわけです。
こうなってくると、とんでもない勘違い野郎が出てきますね。
「高速道路料金が未だ有料なのは許せない、俺はタダで走る。
国民主権であるから、国民のこのような活動は正しい」
「米国追従のイラク戦争賛成は間違っている。
従って人権、平等、戦争反対を訴える落書きを公共財に行う。
このような主張は公共財になされるべきで、罰せられるべきでない」
まぁ、こうなります。
まず Golden Cross さんのお言葉を貫徹するには、
「国民主権は建前に過ぎない」という原則を確認する必要がありますね。
ただここで、特にフランス憲法思想に気触れた、
憲法趣味の方に感情的な反論を頂く事、請け合いです。
次に、国家の広範な利益を実現し、その最大利益を追求する事こそが、
団体としての国家のあるべき姿だという言葉に対しては、
「アメリカのような単独国家主義に陥りかねない、
憲法の国際協調主義、平和主義に反するおそれがある」
こういった反論がくる事、請け合います。国際的な友好関係の維持も、
経済的に広範な収益の維持に資する点、「小売りは平和の産業」という言葉、
これを全く理解できない人達から竹槍で突かれます。
現在の国家政治の姿は国民の鏡であり、もしも機能不全に陥っているのなら、
それは完全に国民の責任であるという言葉に対しても反論が来ますよ。
「警察官は悪だ、教師は悪だ、公務員はみんな裏金を作る、
インチキをする、賄賂を取る、最初から腐っているから修復無理!
日本の政治家はレベルが低くてダメさ」
典型的なのはこれです。このような言葉をいう人の多いこと多いこと、
警察官や教師を非難しうるだけのことを何もしない輩に限って、
公然と警察官や教師、公務員への非難を繰り返す。そして「絶対に褒めない!」。
管理するということを何にも知らない愚痴好きの人間が管をまくのと変わらない。
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ということで、全面的に Golden Cross さんに賛成です。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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