"seiwa-ss" <seiwa4484@if-n.ne.jp> wrote in message news:e14cij$8bh$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp...
> > ということで、まず壊し屋第一弾として注目されるのが幹事長人事。
> > これ次第で次期選挙での公認認定に大きく影響を与えるだけに
> > これが小沢氏寄りの人間になれば確実に次期選挙で小沢派に有利な
> > 選定が行われて分裂選挙を誘発することになるでしょうね。
> 
>  大丈夫ですか。
>  あなた、ニュース見てないんですか。
>  どちらが党首になるにしても挙党一致体制をとるようですから、落選したほ
> うが幹事長になる方向みたいですよ。

仮定の話に文句を言われてもねぇ。(笑)

「○○○になれば□□□になる」と言ってるだけの話であって
本来の小沢さんの感覚なら幹事長人事は自分たちの側近を
置いただろうと推測できると言ったまでの話です。

「自分も変わらなくては・・・」はまさにこの人事に表れている
のかもしれませんね。まぁ、小沢さんの本来的なものではない
と思いますが。

>  あなた、「マーケットの馬車馬」って言うブログ読んでみたら? 民主党は
> ああやるべきだったとわたしは思いますし、するとやはり(党内で勢力が強い)
> 民主党左派が前原代表の足を引っ張ったと見るのが適当のようですね。
> 
>  cf.http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_d143.html
>  cf.http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_92c4.html

見ました。これはまた面白い考察ですね。この方は科学的な手法での考察に
慣れている方だと推察します。確かに小選挙区制はその選挙区の最大多数
の支持を得ないと当選できませんから自ずと中道政策に収斂してしまうこと
には同意します。

しかし、選挙民の投票行動はこの方が考えているほど単純ではありませんね。
政策以外のファクターも大きいにも関わらず”対立軸なんていらない”という
結論を出してしまうのはあまりにも乱暴すぎますね。

ちょっと常識的な判断があれば、反対政党が政権党と政策の違いを示さない
で選挙をして勝てるわけがないことぐらいすぐにわかることであって、このサイト
の単純化による結論との相違はその仮定に問題があることを認識しないとダメ
ですね。

つまり、この方は暗黙のうちに

「すべての選挙民は固定した政策観念を持っていてそれは右寄りや左寄りと
いった1次元の尺度で測れるものであって、自分の支持する政策に近い政策
を提示した政党に100%投票する。」

といった前提を置いているわけですけど、これ自体が非現実的な仮定であって
実際は政策に大きな違いがなければその他の違い、例えば党首のリーダーシップ
つまり政策推進能力の高さであるとかその政党の政権担当能力であるとか
そういった政策以外の観点で投票行動をしている点を無視しているために
結論として”対立軸なんていらない”という結論を導いてしまっているわけです。

これをサポートする理由として、何故自民党に投票したのかというアンケートに
対して「小泉さんに期待して」という理由が多かったことも挙げられるでしょう。
これはとりもなおさず政策以外の理由で自民党に投票している人が多いことを
意味しています。

つまり、右寄りとか左寄りとかそういった政策だけを見て投票しているわけではなく
トップの資質を見て投票している人が多いことを見逃しているために常識的な
結論とは全く正反対な結論を導いてしまっているわけです。

これは科学的な考え方に慣れている人にありがちなミスリードであってそれほど
珍しいことではありません。物事を単純化して考えることは科学ではよくやること
であって、ある現象が1つの要素を主たる原因として起こっている場合などには
有効な手法になるわけですけど、社会現象のような多くの要素が相互作用して
起こっている場合などでは1つの要素だけに着目して結論を出してしまうことは
大変な危険性があります。

そういった落とし穴に陥らないためには、ある程度の社会経験というものも
必要になってくるんでしょう。その結論が常識的に考えておかしくないか?
なぜそういう結論が出てしまったのか?仮定に問題はなかったのか?

あなたの場合、先の投稿にもありましたけど人間というものの半分しか
見ていないで判断しているところがありますね。先の解散でもあれが
郵政解散だと勘違いして民主党が郵政民営化に反対したから負けたのだと
思っている点とか、前原氏は責任を取らなくても良いとかそういった間違った
認識を持っている点で人間の半分しか見ていないからそうなっているんだと
思います。

先の選挙について言えば、あれは郵政解散ではなく小泉解散です。国民は
郵政民営化に関心があったわけではなく、民主党の岡田さんと小泉さんを
比べたときに、より日本を任せても良いと思ったのが単に小泉さんだった
ってだけの話です。つまり、岡田さんは小泉さんに政策で負けたのではなく
キャラ、すなわち人柄で負けたわけです。

また、メール問題にしても私はあの時点で前原氏はすぐに辞任するのが
民主党にとって被害が少なくて済む最良の選択だったと主張しましたけど
あなたは、辞めなくても良いと判断しましたね。で、結果、民主党はメール
問題以上にその組織の脆弱さをさらけ出してしまって支持を大きく失って
しまいました。あのとき潔く辞めていればこんなに被害は大きくならなかった
はずなのに大きくしてしまったのは前原氏の判断ミスによるところが大きい
ですね。で、結局、私が言ったように前原氏は辞めることになりました。

思うにあなたの場合、とっても頭でっかちで人間ってものの半分しか見ないで
判断しているんじゃないかと。

つまり、人間ってものは合理的で理性的に判断し行動するものだと思い込んで
いる。しかし人間ってものほど非合理で感情的な動物はいませんよ。そういった
面は科学的な方法では捉えきれないほど複雑な現象に部類するんだと思います
けど、そういった面を無視しては物事の半分しか見ていないことになって
多くの面で間違った結論を出してしまうことになるんだと思います。

小選挙区制は政策が中道よりになることは否めませんが、反対側の政党が
政権を奪還するにはその狭いレンジの中でも政権党との明確な違いを示さない
とダメなことぐらいは常識的にわかる話です。でなければ、何も民主党に入れる
必要はないからです。自民党、否、小泉さんとの明確な違いが国民の前に提示
できて、より小泉さんよりもうまく政権運営ができるという安心感を国民に与える
ことができればその人が政権を獲ることになるだろうと思います。

そもそも政党というものはある種の国民の利益を代表しているわけであって
すべての国民を代表しているわけではありませんから、政策を最大多数に
合わせれば良いというものでもありません。つまり、中道右寄りな政党が
あれば、選択肢として中道左寄りの政党もないとバランスが取れないわけで
両方が同じになってしまっては2大政党制による政権交代の意味がなくなって
しまいます。

映画でも役回りってものがあるわけですから、それを良く理解した上で自分の
役回りを演じるべきであって、民主党のような政党は中道左派の役回りを十分
演じてこそ存在意義があると思います。中道右派志向であれば自民党へ行った
ほうが選挙民にとってはわかりやすいし、そうなってこそ政権選択の意味がある
わけです。

で、中道右派、中道左派のどっちが正しいとか間違っているとかそんなものは
ないと思ってます。これはそのときそのときの経済状態によって国民の志向が
変わるからであって、企業の体力が弱っているときに企業に対して必要以上に
社会的負担を押し付けてしまっては企業そのものが倒産してしまい、延いては
国民が不利益を被ってしまいますから中道右派政権によって企業よりの政策
運営をすることでまずは企業の体力をつけて景気回復をはかるという選択は
十分納得できます。しかし、ある程度景気が回復してきたら、その政策によって
不利益を被っていた層に対するケアも考えなくてはならなくなり、政策としては
中道左派に寄ることは十分想定できる話です。

ですから、そのときそのときの経済状態によって国民の志向が変わることを
理解した上で政党は自分たちの役回りを演ずれば良いんだと思います。
ある時代に通用した政策でも時代が変われば通用しなくなることは多々ある
ことです。それは間違っている合っているの話でなく、時代の要請が何なのか
ということです。それにたまたま合致した政党が政権を獲れば良いだけの
話であって、合っていなければ野党になって政権党を徹底的にチェックすれば
良いのです。

自分の役回りってものをよく理解して行動することです。