新築マンションを見学した人など約8100人分もの個人情報が、ファイル交換ソフト
「Winny(ウィニー)」を介してネット上に流出したことが判明した。このうち
約1000人分の情報には年収も記載されていた。
不動産大手「三菱地所株式会社」や総合商社「ニチメン株式会社」(現双日)など
が、千葉県内や東京都内で手がけたマンションの宣伝業務を担当した広告代理会社の
関係者が収集、流出させたとみられる。
広告代理会社は「アイ・アンド・キュー アドバタイジング」(藤井一彦社長、本社
・名古屋市中区)。流出したのは同社の東京支店が管理していた文書。2003年9月に
同社を退職した元社員が集めたとみられる文書で、保存しているパソコンが暴露ウイ
ルスに感染したらしい。
文書には「三菱地所資料」「ニチメン資料」など会社名のフォルダーが多数含まれて
いた。これらの会社は、アイ社のクライアント(広告主)である。
「来訪者一覧」や「来場者アンケート」と題したファイルには、2000〜2001年に千葉
県内や東京都内の新築マンションを見学に訪れた人の住所や氏名、電話番号、勤務
先、家族構成等が一覧表にまとめられていた。「現在の住まい」「現在の間取り」な
どの項目もあり、このうち約1000人分には年収が記載されていた。年収記載者を1400
人とする報道もある(「8100人分の情報流出 名古屋の広告代理店」共同通信2006年
4月11日)。
また住宅購入予算や、購入時の自己資金額などが記入されている人もいた。「特記内
容」の項目には、「○号室契約者」との記述もあった。他にも複数のファイルに、広
告サイトの閲覧者などの氏名や住所、メールアドレスが含まれており、個人情報は全
体で約8100人分に上る。
アイ社によると、元社員が退職した後、別の社員に会社貸与のパソコンを引き継い
だ。その社員がパソコンにウィニーを入れ、流出データも存在していたという。同社
は「流出したのは、うちの文書に間違いない。役員で手分けしてすぐにクライアント
におわびに行く」と話している。
また、双日と三菱地所は「事実関係を調査している」としている。アイ社は1993年設
立。東京、名古屋、大阪に事務所があり、テレビや新聞などでの企業広告を企画・提
案している。
http://www.geocities.jp/shouhishahogo/gisou4.htm

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