アメリカのご都合主義パキスタン対応
ブッシュ大統領がインドに次いでパキスタンを訪問した。インド訪問中にパキスタンでは大規模な反米デモが発生したが、インドはと敵対関係にあるパキスタンに、インドとのバランスを配慮しただけではなく、アフガニスタン国境周辺に残存するアルカイダやタリバンのテロ掃蕩に協力しているパキスタンに感謝し、引き続き協力の要請を行なうために訪問したものであろう。
パキスタンといえば、軍の参謀総長を兼務するムシャラク大統領の民主的とは言えない統治下にあり、今は自宅軟禁されてはいるが、同国の核兵器の父といわれ、北朝鮮の核装備にも力を貸したカ−ン博士は、核の闇市場に深い関係を持つイスラム圏内で唯一の核兵器保有国である。
ブッシュは、インドとは違ってパキスタンでは、さすがに、核技術協力の話はしなかったが、お得意の民主化セ−ルスマンとしての話にはふれず、テロ掃蕩への協力を賞賛し、感謝の意を表しただけであった。
パキスタンの核の闇市場がイランの核開発を手助けしていることもありうるのだが、それは脇に置いてテロ掃蕩に協力さえしてくれれば、それで充分なのだ。それも最近は成果が上がってはいないという。
パレスチナでのハマス政権の誕生で中東情勢の見通しが出来ないなかでのイスラム国訪問なのだから、当面のご都合主義だけでなく、もっと視野を広げた話し合いが必要だったのではないか。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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