防衛施設庁の技術系幹部の入札妨害事件が明るみに出たが、その業者選定の基準は、OBの受れ皿作りどころか、受け入れたOBの地位や給与額に応じて仕事の配分を、施設庁幹部が決めて、天下っているOBを通じて業者に通知するという、まことにひどいものであった。
 これだけ、明快、露骨、悪質なル−ルで決められていた、という話は聞いたことがない。これは、談合以前に、発注する仕事を役所が業者のOB待遇度に応じて決めてしまい、入札制度を空文化してしまう行為なのだ。
 このようなことは、既に発覚している空調関係の工事だけでなく、米軍再配置にともなう岩国沖の軍用空港拡張工事でも行なわれていたという。
 このような悪事は防衛施設庁設置以来続けてこられたものであろう。政府関係者がそれに気付かなかったことはないと思う。放置していたのだ。その政府の姿勢は厳しく糾弾すべきだが、こんな犯罪は、防衛施設庁を解体して防衛庁に統合するくらいで済む問題ではない。官僚OBの天下りを完全に禁止するらいのことをしなければ再発を防止することはできないのだ。
 村上新八