パレスチナの国会に当たる自治政府評議会選挙でアメリカから武装勢力と目されてきた「ハマス」が、「ファハタ」に勝って                                                    第
一党になることが決定的になった。アッバス議長はハマスに組閣を要請することになるのである。
 爆弾テロだけでなく、教育や医療の面で民衆を支援してきた実績がハマスの支持率を引き上げたのであろう。
 米国はこの結果に困惑しているが、逆だと思う。ハマスは、イスラエルに対する武装闘争は止めないと言ってはいるが、政権に付けば、そうはゆかない。政権党になれば現実路線に転換せざるを得なくなるのだ。
 国連や米国などからの資金や人道支援を減らされないようにしなければならないし、そのためには武装闘争は控えて、イスラエルとの和平の道をさぐる現実路線に立ち戻らざるを得ないということもある。
 かって日本の旧社会党が自民党との連立で村山政権を樹立した際に、自衛隊や日米安保条約を認知するなどの現実路線に転換したのと同じである。
 そこから新たな中東和平への道が開けてくることを期待したい。
 村上新八