小泉は「郵政民営化が改革の本丸」と唱えてきたが、これは自民党内に反対勢力が強いから、と言う意味から、これをなんとしてでも打ち破ろうという自分の我執貫徹の戦いであったから、ということに過ぎない。
 日本の財政再建の将来に重大な悪影響を及ぼすという意味での本当の「改革の本丸」はカネのムダ遣いの元凶である31の特別会計だ。
 その予算規模は、国債整理基金特別会計を除いて'05年度には220兆円、一般会計予算82兆円の2.7倍に上る膨大な金額になる。 2年半前に、塩じいこと塩川正十郎元財務相が「母屋(一般会計)でおかゆをすすっているのに、離れ(特別会計)ではすき焼きを食っている」と特別会計のずさんぶりを批判したにも拘わらず一向に改善されていないのだ。 小泉は、特別会計に手を付けるとは言っているが、官僚どもはその先を見透して、自省の特会の統合作戦で逃げようとしている。つまり二つの特会を一つに統合して、特会の数だけを減らして、見せ掛けの改善をする手である。が、資金規模はなんら変らないのだ。 小泉は改めて、「特別会計本丸宣言」を行なって、税金のムダ遣いの徹底撲滅に、郵政民営化以上に全力を挙げるべきである。 村上新八