民主政治は国民の納得のゆく政治でなければならない。しかし今の自民政権の政治は国民の納得づくの政治とは到底言えない。
 財政破綻で800兆円もの借金を抱えて税収は一般会計の半分に満たず、先には大増税や年金カット、福祉切捨てが控えている。これらは国民にとっては、嫌なことに決まっている。しかし、「嫌」と「反対」とは違う。「嫌だけれどもなるほどそういうことなら従わざるを得ないな」と得心することが「納得」なのだ。
 そういう形で国民の納得を得るような説明を政府はしてきただろうか。否である。たとえば、大増税政策を打ち出すなら、まず「隗より始めよで、ムダな経費の徹底排除、公共事業の見直し、談合の廃止、天下り禁止、官僚の特権廃止、公務員の削減、議員年金の廃止、独立公益法人の徹底見直し等など、一切の冗費を完全に一掃させねばならない。そうした税金イ−タ−を徹底的叩いた上で、国民に痛みの負担を求めるて、初めて国民の納得が得られるのである。
 郵政民営化を「改革の本丸」と言いながら、何故本丸なのか納得のゆく説明は一切なかった。小泉がやりたくて仕方がなかった「郵政民営化」という我執に対しては一番反対が強かったから、小泉自信の我執遂行の上での「本丸」に過ぎなかったものと思う。
 その郵政選挙で大勝したのは、面白おかしいドサ周りの田舎芝居もどきの演出に国民が騙されただけだったのだ。国民の納得などとは程遠いものであった。
 また、米軍再配置問題にしてもそうだ。沖縄や神奈川に中間報告と称して、現地には何の相談もなく、防衛庁と米軍が勝手に決めた最終案を押し付けているのだ。住民はもとより関係自治体の知事も全く納得してはいないのである。
 こういう自民党政治は一刻も早く辞めさせて野党に政権を渡すことが国民の選択すべき道なのだが、さてその国民が問題なのだ。
 村上新八