米国と敵対関係にあるイランは、もともとイスラム社会の火種であったが、ホメイニ師のイスラム原理主義の理念を信奉する強硬派アフマメジャド大統領の大統領当選以来にわかに過激化が激しくなってきた。
 彼の出身母体である民兵組織「ハシジ」は大統領当選の余勢をかりて増大し、イスラエルに対する自爆攻撃志願者を募り、多数の若者が志願書に署名したという。
 アフマジメジャド大統領は、国際社会の強い要請にも拘わらず、「核の平和利用は当然の権利だ」としてウラン濃縮を強行する決定を下したばかりでなく、イスラエルを滅亡させるとまでいきまいている。
 今までイランの各技術の支援を行なうなど
イランとは友好関係にあるロシアは、国際社会と対立するイランとの仲介を果たすべく「核兵器開発の疑念を持たれ易いウランの濃縮はロシアで行いイランに提供するから、ウラン濃縮設備の建設は控えるように」との提案したにも拘わらず、大統領はこれを受け入れそうにない。
 アフマジメジャド大統領は、北朝鮮の金正日の真似をして強引に核兵器を製造して、イスラエルに対抗しうる力を持とうし決意しているに違いあるまい。
 これでまた、厄介な中東の火種が燃え出すことになるのである。
 村上新八