余命1年を切り、小泉政権最後の組閣となる内閣改造が終わった。マスコミは例によってサプラスイ゛を期待したのだろうが、何もなかった。サプライズのネタも尽き果てたのだ。
 この内閣はいうなれば「我執完結内閣」である。小泉の我執は「靖国」と「郵政民営化」しかない。
 「靖国我執」では、いずれも靖国神社参拝信奉者である安倍普三を官房長官に据え、麻生太郎を外務大臣に据えた。中国、韓国は直ちに不快の念を表明した。近隣外交凍結を続ける構えをあからさまにしたわけである。
 麻生太郎は、「靖国問題は何回言っても聞いてもらえない、仕様がないからほっておこう、と自然に解決するのが望ましい」となどとばかな言っているが、これはかって彼が「朝鮮人の『創氏改名』は彼等からの要求でやったことだ」と口を滑らせて物議をかもしたのと同じ、低レベルのたわごとである。
 「郵政民営化我執」では、小泉に郵政選挙で忠実愚直ぶりを発揮示した武部幹事長を留任させ、「くの一刺客」の当選に尽力した松田岩男と「くの一刺客」代表のおばはん猪口邦子を入閣させた。
 小泉内閣は、この余命のなかで、行革、三位一体、社会保険、政府金融機関統合に力を注ぐというが、しぶとい官僚どもは、余命1年もないレ−ムダッグ小泉内閣に敗れるほど甘くはないのである。
 村上新八