イラクの新憲法是非の国民投票の開票が進んでいる。現在判明しているところでは、全17州のうち、北部のクルド人地域、南部のシ−ア派地域の13州では圧倒的多数で賛成、中部のスンニ派地域の2州では反対が2/3を越えた。残るニナワ州一州の帰趨如何によって憲法の是非が左右されることになる。17州のうち3州で否が2/3を越えたら、憲法は成立しないル−ルになっているからである。
 イラクの治安の安定化は、スンニ派が政治に参加して、イラクの復興に注力する体制を作ることにある。それは、イラクの混乱を図ろうとして活動してきた外部からの侵入テロであるアルカイダとの決別を意味するものであるからである。
 そのためには、クルド、シ−ア、スンニの連邦国家とすることの良さを残しながら、石油資源のないスンニ派地域のスンニ派にも石油資源の恩恵を分かつ形の連邦運営がないと、スンニ派は納得せず、その不満にアルカイダが付け込み、居座ってテロを継続することになるであろうからである。
 その点では現在の憲法案では不十分であり、一旦憲法案を否決して、この点を再度詰めてスンニ派の納得できる憲法の形にすることが必要なのだ。
 ニナワ州の2/3以上のNOを期待したい。
 村上新八