米国で、クリントン政権の元閣僚が「北朝鮮の核を認め、ミサイル防衛などで備えるのも一つの選択肢だ」と、北朝鮮の核との共生を語っているという。
 全くとんでもない意見である。第四回の6者協議で、米国から、体制保障を勝ち取ったつもりの金正日がこんなことを知ったら、ますます勢いづいて米国への要求をヒ−トアップしてくるであろう。
 それよりも、こんなことを認めたら、米国が主導してきた核拡散防止政策は一挙に瓦解し、世界は核開発競争、MD開発競争に狂奔することになることは確実である。
 北朝鮮の核とノドン、テポドンのミサイルの圏内にすっぽり入ってしまう日本もMD開発だけでなく、核兵器開発に走らざるを得ないことになるであろう。MDは信頼性が低く、米国も当てにはならないからである。
 ミサイルを輸出した前科を持つ北朝鮮もドバイのカ−ン博士の核の闇市場も、核兵器の商売をどんどん盛んにするであろろう。
 こうして、世界中に核兵器があふれ、勿論テロの手にも核兵器は渡るであろうし、テロに標的視されている国々は、永久に恐怖のどん底に突き落とされることになるのだ。
 軽々にこういうバカなことを言う奴こそ全人類の敵なのだ。
 村上新八