冷戦最後の落とし子と云われる難問中の難問、北朝鮮問題が、
国際的な合意のもとに、大きな転換期を迎えた。
米国に華を持たせ、北朝鮮に実を持たせるに至った粘り強い中国外交の
大いなる勝利であると云えよう。
中国は、外交大国・経済大国、そして政治大国へと驀進するであろう。

今回の結果を踏まえれば、韓国は勿論、中国もロシアも、北朝鮮と
今後は何の気兼ねもなしに堂々と交易を進めることができることとなった。
もしかして米国も負けじと交流参加に踏み切るかも。
厳しい経済制裁によって資本投下がうまく回転しきれないため、
自然資源などの経済効果への動員がなされていない北朝鮮にとっては、
極めて好ましい国際関係の季節を迎えたと云ってよかろう。
もはや、拉致被害者らが云っているような“ケイザイセイサイ”なんて
屁のカッパだなのだ。

それにしてもコイズミは惜しかったなあ。日朝平壌宣言の後、日本こそが
今回のようなアジア外交の主役に躍り出る絶好のチャンスであったのに、
そしてそれこそが国連常任理事国入のための序曲としてふさわしかったのに
……ねぇ。
国内の軽薄な右翼思想に翻弄されて、みすみす宝石を取り損ねてしまった。
見給え、町村外相ときたら相変わらず古ぼけた標語「ニチベイカン」に固執
しているではないか。そんなものはとっくに崩れつつあるというのにだ。
自民党は選挙に勝っただけで、基本的体質はちっとも変わってはいない。
国会をギャル達の遊園地にしたほかはね。
今後も変わることはあるまい。古ぼけたまま推移するであろう。