すべてが決した一週間
今季ペナントレースのターニングポイントとして永く語り継がれるであろう
9.7の激闘。赤星の落球ですべてが終わったと確信した。ナゴドでこんな
試合の流れであれば、もう阪神にその流れを止める力はなかった。
ここで久保田は鬼と化した。
一死満塁から代打渡辺を三振、続くウッズには直球一本勝負で三球三振。
ウッズが倒れた瞬間、身体に震えが走った。
球児は東京Dの同点劇から化けるまでに2年の月日を要したが、久保田は
わずか1日、ものの数十分の間でそれを成し遂げたと言えるのではないか。
最大8ゲーム差を離されながらその後11連勝、5連勝、7連勝という、
まさにミラクルに値する勝ち方を続けてきた中日がサヨナラ勝ちを収めて
いれば、この試合はミラクルの集大成として中日のセ・リーグ連覇にこの
試合あり、と言わしめるものになっていただろう。
だが、中村豊のあまりに価値のある一発で、阪神がこの試合を制した。
星野SDが残留を表明し、球団史上最多の21得点を挙げた9.10、東京Dに
映し出された21対2という途中経過を、中日ナインと中日ファンは絶望感を
もって目にしたことだろう。
優勝するチームがかならず経験すると言われるミラクルゲーム。今季の
阪神にそんな試合はないと言われていたが、この2試合で十分だろう。
あの死闘から4連勝と4連敗でゲーム差はまさに地滑り的に6ゲーム差と
開いた。13日に阪神が勝って中日が負けるか引分ければ、ついに正真
正銘のマジック13が点灯する。
中日が追いつくことは、もうできない。
わずか一週間で、すべてが決してしまった。
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Takachan
takatsuka@k3.dion.ne.jp
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