保険会社のトップ4氏が揃って退陣するという。保険金の不当な不払いや不払い理由になる事実を故意に隠させて契約させるなどの詐欺的営業手法の責任を問われた結果である。
 この保険金の不当支払いは1社や2社ではない。すべての保険会社で不当不払いが3万件前後発生しているのだ。
 保険は、掛け金をしておいて、保険事由が発生したときに保険金でその損害を充当するための仕組みなのだから、その保険金を支払わないというのは保険会社の自殺行為なのである。そんな分かりきったことをやってきたのだから、トップの引責辞任くらいでは済まない問題だ。
 保険金の不当不払いにもいろいろあるはずである。保険業界も競争が厳しいからサ−ビスが過当競争化している。販売パンフレットには、あれやこれやとメリットばかりが沢山並べられている。ユ−ザ−はそれを見て契約するが、細かい字で約款に書かれているそサ−ビスのの支払い停止事由などは読まない。また、いざ保険事由が発生したときに、どんな支払いが受けられるのかは忘れてしまっているのが大方である。
 会社ユ−ザ−の場合は、それぞれ専門の担当者が目をひからせているから、それは少ないと思うが、こういう個人ユ−ザの盲点につけこんでの保険金不払いも多いのであろう。民間ならではの悪知恵なのだ。
 小泉総理の言うように、民間に出来ることの中には、このような詐欺、騙しも含まれるのである。
 こうなると、少なくとも個人保険は民間には任せられない、郵政の官営簡保でなければ安心して掛けられないということになるのである。小泉さんよ、分かったかね。
 村上新八