先月29日    頃再開を予定して休止していた6者協議は、未だに再開のメドもつかぬままである。
 その間米朝は水面下で、両者の溝を埋める交渉は続けていたものと思われるが、溝が埋まらないままなのであろう。
 中韓も手を拱いていたわけではないであろうが、打開の糸口が絶対にないということではないと思う。
 問題は、北朝鮮が核の平和利用の道は残すことを主張し、中断されている軽水炉原発の工事再開を核放棄の条件としているのに対して、94年合意を反故にされ、ウソをついて核兵器開発を続けていた北朝鮮を米国が信用せず、核の平和利用をも拒否している点である。
 それなら、一旦は全面的な核放棄をして、AIEAの査察も受け入れ、その後10年間問題がなければ、核平和利用の技術を供与する、という案も考えられると思う。
 前面放棄では平和利用の道も塞がれると
いう北朝鮮の懸念も、核兵器の秘密開発への疑念という米国の懸念も、これで一応は解消するのではないか。
 米国と緊密な日本が、そのような調停案を出して、6者協議を進展させれば、拉致問題でも展望が開けるかも知れないと思うのである。
 村上新八