劇場型に踊る愚民民主主義選挙にするな
今回の選挙は、自民党の郵政民営化法案を「郵政民営化」にすり替えて、「民営化の賛否を問う選挙」に化けさせた誤魔化しや反対議員を非公認として単に知名度が高いだけの女どもや会社乗っ取り屋を刺客に立てたサプライズ作戦など、巧みな小泉の「猫騙し戦法」に、マスコミも選挙民も乗せられた「たぶらかし選挙」としてスタ−トした。これがマスコミの言う「劇場型選挙」なのだ。
ニ−チェは「人間が卑小になった理由の一つは、すべてを平均化した、愚昧、低俗、卑賤の代名詞である大衆であり、その機構であるデモクラシ−だ」として民主主義をこき下ろした。選挙民がまだ熟成していない19世紀後半の時代だから、そう言われても無理からぬものがあったであろう。
しかし、この選挙で、最重要政治課題である年金、福祉、アジア外交を脇において郵政をめぐる「劇場型」選挙作戦に有権者が踊らされたまま終わるとしたら、それはまさにニ-チェの言う愚民民主主義に他ならないのである。
政治にはパフォ−マンスや芝居もどきの面白い筋書き、演出もあるだろうが、そんなことに注力するのは、有権者をバカにするものなのだ。そんなことが有効だと思われているからである。
成熟した選挙民なら、そんなことに目を奪われずに、マニフェストやその実行を阻害する諸々の「しがらみ」を排除できる力などをク−ルに判断して政権選択をするはずである。
今回の選挙は、日本の有権者が、果たして愚民なのか否かを問われる選挙でもあるのだ。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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