ハリケ−ン、カトリ−ヌがアメリカ南東部を直撃してから5日目になろうとしているが、救援体制は未だに整っていない。まだ10万人近い被災者が、水も食糧も、薬品もなく、一刻も早い救援を待ち焦がれている。テレビ映像で見る限り、そのほとんどが黒人である。これが、超大国アメリカなのだろうかと首を傾げたくなる。
 その理由は、道路、空港、港湾をはじめ交通網が壊滅状態になっているからだ、と言う。その通りであろうが、その前に事前の対策のお粗末さがある。
 カトリ−ヌが巨大なハリケ−ンであることは、とっくに分かっているのだ。そのために40万人の都市ニュ−オ−リンズには市民に対して全員避難せよ、との避難命令が出ていたのだ。これまでは良いが、車を持っていないとか、お年寄りで運転できないとかの人が10万人もおり、この人たちが街中にとり残されて被災したのである。
 こんなことが分かっていなかったのか、分かっていて放置したのかは分からないが、ハリケ−ン襲来直前に大型バスやトラックを動員するなどすれば、その10万人を避難させることは出来たずである。それが出来ていなかったこと自体が不思議でならない。
 このような超大型ハリケ−ンは、海水温の異常高温が原因で発生するとされている。その異常高温は地球温暖化によるものではないか。その因果関係が疑われるとすれば、アメリカ政府は、時間が掛かるその解明を待たずに「京都議定書」の承認と実行などの手を打たないと、今後ともこのような災害に見舞われることになると思う。
 村上新八