東京急行電鉄は駅や車両でアスベスト(石綿)を使用していることが判明した(2005
年8月12日)。
多くの駅や車両で使用されていることが判明しており、乗客にとって脅威である。
全97駅(田園都市線渋谷駅は委託駅のため除く)中、86駅において、天井や外壁に石
綿を含有するボードやスレートを使用している(約87%)。
そのうち4駅では吹き付け石綿を使用している可能性がある。
車両も全1122両中、975両で石綿を含有する部品を使用する(約87%)。
東急電鉄は「石綿が飛散する可能性はございません」とするが、振動の激しい車両と
いう性格を考慮すると本当に飛散しないのか疑わざるを得ない。
他にも変電所等における電気設備の一部の部品において、石綿を含有する部品を使用
する。また、高架区間などの防音壁にも石綿を含有した資材を使用する。
地下区間における通風口の一部の吸音材に石綿を含有している可能性があり、石綿の
含有の有無について調査中である。
調査の結果、石綿の含有が認められた場合は除去等の対策を行う予定である。巨額の
除去費用が特別損失につながる可能性もある。

東急車両製造、アスベスト被害で死者
東急車輛製造は、アスベスト(石綿)による健康被害問題で、元従業員が2002年に中
皮腫で死亡していたことを明らかにした(2005年7月14日)。
元従業員は2001年の退職後に労災を申請し、認定されたという。
同社では過去に、ブレーキの断熱材などにアスベストを使っていた(「東急車両でも
死亡者=アスベスト被害で」時事通信2005年7月14日)。
石綿が大量輸入された1970年代以降、製造現場で粉じんを吸い込み、長い時間を経て
中皮腫などを発症、死亡した従業員らの存在が浮き彫りになった。
吸い込んだアスベストで内臓を覆う膜にできるがんの一種の中皮腫、肺がんなどは、
発症までの期間が数十年とされる。
このため健康被害の情報不足も手伝い、アスベストが原因と気づかずに死亡した人は
少なくないとみられる
(「アスベスト対策 住民、家族の救済を急げ」信濃毎日新聞2005年7月30日)。
今後、周辺住民や退職者、家族の健康被害がより明らかかになれば、訴訟などを通じ
て過去の使用方法など対策が適切だったかどうか問われる可能性もある
(「「石綿」死者、2000年以降急増――大量使用から30年前後、業種、さらに拡
大。」日本経済新聞2005年7月14日)。

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