韓国統一相が「核の平和利用は北朝鮮の当然の権利だ」と発言した。これは29日から端迫る予定の第五回の6者協議を控えて極めて軽率な発言である。
 6者協議の共同文書作成を阻んでいるものは、核開発禁止の範囲をめぐる米朝の溝であり、それは、「核の平和利用は認めよ」という北朝鮮と、北朝鮮は平和利用に名を借りて核兵器開発を秘密裡に行なった背信行為の前科があるから許さない、とい米国との主張の差である。
 統一相のこのような発言は、北朝鮮を勢いつかせ、第五回の6者協議の失敗の種をいまから蒔くに等しい愚行と言わざるを得ない。
 村上新八