自民党亀井派の衆院議員永岡洋治氏が自殺された。遺書は見つかっていないが、その理由は想像できる。
 永岡氏は亀井派の一員として郵政民営化には反対を唱えていたにも拘わらず、先の本会議の採決には賛成票を投じた。その理由は、推測するしかないが、ゼネコン汚職で辞職した中村喜四郎氏の補欠選挙で初当選し、その前2回落選の雪辱を果たし、その後再度当選したが、次ぎは未だに厚い支持層を持つ中村氏が復帰するとの噂のある選挙区であった。永岡氏の地盤は強いものではなかったのだ。党執行部から、そこを突かれたのではないか。
 反対すれば、中村氏を公認し、応援するぞ、と迫られて永岡氏は窮地に立たされ、涙を呑んで仲間を裏切ることになったのではないか。それまでの葛藤、懊悩は想像に絶するものがあったであろう。こうして白票を投じたものの、顧問をしていた地元の特定郵便局長会からは絶縁状が届くし、「裏切り者」という自責の念と将来への絶望感にさいなまれて、ということではなかっただろうか。
 これも、継続審議という選択さえも拒絶して、何がなんでも今国会で通うそうとする小泉氏の強引なパラノイア的我執が生んだ悲劇であるといえよう。その被害者となった永岡氏のご冥福を祈るばかりである。
 村上新八