先々週に続いてのっけからSTだと思われないシーンで始まるオープニング、ま
るであちらの非SFドラマか何かを見ているような錯覚にとらわれます。しかしな
がら、今回探偵役となった船長、副指令のボケ具合といい、所々のウィットに富
んだ演出は全体的に見れば結構いいのではと思いました。ただ、教育上はよろし
くないかも。刑法上の過ちを何度か起こした後で「これを犯罪行為という」と某
氏は自覚しておられますが。躊躇無く嬉々としているような。今回は船長だけで
なく副指令も悪人のように見えました。例によって強引な船長ですが、拉致して
縛り上げた人間を殴るためにロープを外すように副指令に命令した後、間髪を入
れず何も言われないのにそそくさと縛りなおす副指令が息がぴったりというか、
悪魔だと思いました。:-)
 演出上の疑問点といえば、無免許であんな大きな車を動かすだけの運転技術を
持つのは怪しいでしょう。"パイロット"でも。しかも勉強屋の副指令はセカンド
固定で走らすように助言してなかったけ。"D"と"2"を聞き間違えたかもしれませ
んが。
 このコンビがどれだけ犯罪行為を繰り返したか分かりませんが、後味が悪くな
いのは前に書いたとうり、あちらこちらにウィットに富んだ演出があるのも理由
の一つかも知れません。ハンバーガー注文する際の副指令の困惑、車内に落ちた
肉片に顰める副指令等、ふと笑えるシーンがいくつかありました。序盤のポート
スの臭いに顰めるあのシーンは肉片の伏線だったのかな。
　今回のシナリオのネタ元は米国の非SFな探偵、刑事ドラマにTOS(平和運動家を
見殺しにする話)等、各STの過去物かもしれません。グロテスクなキメラになっ
た訳でもなく、純粋にエンターテイメントとして楽しめました。

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大城仁             j92012@ie.u-ryukyu.ac.jp