6者協議北朝鮮の戦略を読む
6者協議が始まった。冒頭での各国の方針表明では北朝鮮は、「我が方は核問題解決の準備は出来ている」などと前向きなそぶりをみせるような発言をしているが、同時に「米国もその用意は出来ているはずだ」と
、米国の更なる譲歩を求めるしたたかさを匂わせている。
北朝鮮の姿勢で新しいものは「朝鮮半島の非核化は実現させねばならない」と「半島」を持出した点である。俺たちは核兵器を持っているぞ、これの廃棄を迫るなら、在韓米軍が持っているはずの核も半島から排除すべきだ、との相互主義の主張を持出したことである。こんなものは米国は駐韓米軍は核装備はしていない」と突き放せば良いだけである。
北朝鮮の言う核放棄はプルトニュ−ム型のものを対象にしているので、ウラン型の核爆弾はない、と主張している。米国は両方を含めた核放棄を主張している。
仮にこの協議が妥結することになっても、 開発がキャッチされ易いプルトニュ−ム型をおとりにして、この放棄を受け入れておいて、ウラン型を温存しておこう、というのが北朝鮮の戦略ではないか。キャッチされにくいウラン型はうまく隠せる方法を見つけたのだと思う。核爆弾を製造してから、これを廃棄した国の例はないし、北朝鮮が「虎の子」であり、「生命線」である核爆弾を完全放棄したりすることは考えられないからである。
こうして、ウラン型の核爆弾の製造を続けて、いざの場合の切り札に使おうとしているのではないか。北朝鮮は、AIEAの査察のやり方も熟知しているのだから、このくらいのことはやりかねないのだ。
米国もこのくらいのことは読んでいるから、今回の協議でも決着はありえないと思う。その間に核爆弾数は確実に増え、北朝鮮はなし崩しに核保有国として振舞うことになるのだ。これが北朝鮮の戦略である。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735