イラクのサマワで自衛隊の車列通が行中に道路わきの爆弾が破裂して、一台の車のフロントガラスにひびが入った事件が発生した。
 自衛隊が駐留開始後9回目の攻撃であるか゜、今回の攻撃は明らかに自衛隊を狙ったものである。サマワのイラク警察は50人ほどの容疑者を逮捕、取調べ中というが、この犯行に対しては犯行声明は出ていない。
 大野防衛庁長官は、「重大な事件と認識している」と述べたが、この程度ではイラク特措法に規定する派遣条件としての「非戦闘地帯」との断定は無理だし、これが自衛隊の撤退理由とはならない。
 イラクの自衛隊の人道、復興支援の任務は、浄水、給水作業はこの2月にイラク側に移管し、ODAによる上水道施設の建設に移っているから、今後の業務如何によっては、駐留の必要性はないかも知れない。
 しかし、撤退するとしても、些細なテロ攻撃を理由に撤退することは出来まい。イラク政府の機能が軌道に乗るまでとは言わぬが、延期されている駐留期間終了を機にするしかないと思う。それが有終の美というものであろう。
 村上新八