EU憲法否認はシラクと大衆との志の落差だ
フランスで実施されたEU憲法可否についての国民投票で10ポイント近い大差で国民はNOを突きつけた。これに続くオランダの投票でも承認は危ぶまれている。
これまでEUを引っ張ってきたシラク大統領には、強大な米国に対抗しうるEUを作り上げようとする世界戦略的意図があったものと思う。しかし、国民大衆は、それよりも、EU憲法が出来て統合がより進んで、東欧諸国から安い労働力が大量に流入してきて、自分たちの職を奪われるとか、給与水準が下げられるとか、イスラム教のトルコまでがEUに加盟するようになるとかの身辺の生活条件変化への危惧からNOを示したのであろう。
シラク大統領と国民大衆の志の高さの違いが露呈したということなのであろう。
しかし、これでEUがおかしくなるということではない。フランス国民が納得できるような条件をつけての再選挙が実施されるということになるであろう。いままででも類似の例はあるし、それは難しいことではないと思う。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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