民主党の岡田代表が代表就任1周年を前に、外交・安保に関する岡田構想を発表した。 

 自民党の外交・安保の考え方との差は、対米一辺倒の小泉外交から、日米の緊密は維持しつつ、アジア重視の外交に転換しようという点である。小泉総理に言わせれば「アジア外交は重視している。そんなことは当然じゃないか」と反論するに決まっているが、これまでの小泉総理の言動を見ていると、国益判断は対米関係しかなく、対アジア外交はまったくお座なりとしか言いようがない。
 アジア外交を重視するなら、中韓があれほど嫌悪している「靖国参り」などにしつこく、しつこく固執するようなことはしないはずだ。
 小泉総理は、「未来指向が大切だ」と反論するが、その未来を切り開くためには、過去の清算は完了したという中韓の認識が必要なのだ。「靖国参拝」や「教科書の記述」は過去の清算がなされていない証だと見られているのだ。
 その間に中国は、成長し続ける経済力をバックに将来のアジア共同体の主導権を握るべく着々と地盤固めをしているのである。日本は大きく立ち遅れているのである。
 日本のアジア外交の課題は、北朝鮮の核ミサイル脅威、拉致問題、歴史認識問題、台湾海峡問題、独占的経済水域問題、中国の軍拡問題、日本の国連安保理常任理事国入りにたいする中韓の反対などが山積しているのである。この重要な時期に何年もの間、首脳の相互訪問も腹を割った首脳会談もできないというのは明らかに異常なのだ。
 外交は票にならないと言われるが、グロ−バル化した世界だから、外交の如何が日本の国益にボディブロ−のように効いてくるのである。このような外交の一大転機を作る意味でも政権交代が必要なのだ。
 村上新八