先生:今日は,少し前に fj.news.style で発表された,論理的な議論の
   仕方に関する話題を取り上げてみたいと思います。

でし:はい,せんせい。

先生:それでは…
   あなたは,地球上に存在しています。これは正しいですね?

でし:はい,正しいです。

先生:一方,道端に落ちているうんこも地球上に存在する物体です。
   これも正しいですね?

でし:…何でうんこが出てくるのかわかりませんが,まあ,そうですね。

先生:よろしい。つまり,あなたとうんこの間には,地球上に存在している
   という共通点があります。よって,あなたとうんこは同じなのです。

でし:せんせいっ! いくら先生でも言っていい事と悪い事がありますよ!
   わたしとうんこは同じじゃありません! 絶対違います!!!

先生:ほほう。地球上に存在するという共通点を認めておきながら,あなた
   は自分がうんこと同じではないと主張するのですね。

でし:当然です!

先生:はっはっは。あなたは議論の仕方を勉強する必要がありますね。
   「AとBにはXという共通点がある」という指摘に対して行うべき反論
   は「Xという共通点はない」であって「AとBは違う」ではないのです。
   「AとBは違う」が正しい反論となるのは「AとBは同じ」という主張
   に対する場合であり,ここでその反論を行うことは「Xという共通点」
   という指摘を意図的に無視したことになります。(*)
   ここで,Aを「あなた」,Bを「うんこ」,Xを「地球上に存在する」
   と置き換えますと,あなたは「地球上に存在する」という共通点を意
   図的に無視して「自分とうんこは違う」と反論したことになります。
   この手の主張は論理的ではありませんね。


(*) <4244c7c9$0$976$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp>

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江原 純一 mailto:j-ehara@pop17.odn.ne.jp