国と地方合わせて720兆円という途方もない借金は国民にとっては、逃げようがない債務だ。市民の個人債務なら破産宣告という逃げ道もあるし、相続債務なら相続放棄という手もあるが、国民という立場では逃れようがないのだ。
 この財政立て直しは、消費税、所得税などの増税ばかりではない、介護、年金、医療など社会保障全体での国民負担の増と言う形で被されてくるのである。これは現役世代だけでなく、高齢者も例外扱いはないのだ。既に65歳以上の年金生活者に対する医療費負担割合の引き上げや増税、年金支給額の引き下げという論議が始まっているのである。
 政府は、これらの国民負担増について国民の理解を得ようと、国民との意見交換会とかマンガ本の形でPRを始めるという。これらの手段を使って財政再建の必要性、行革の実績と限界を分かってもらおうというのである。
 国民は、借金がどれだけあるかは分かっているが、こんな手管は頭から信用していない。国民が「自分たちが選んだ政府の失政だから仕方がないと諦めて、それに応じる気にさせる対策」を講じなければダメである。
 それは、役人天国、議員天国の実体にメスを入れて、洗いざらい暴露して、改革すること、赤字垂れ流しの官僚OBの受け皿機構の設置や官僚天下りをゼロにること、独立行政法人を徹底整理すること、中途半端に終わった高速道路建設をはじめ、公共事業の徹底切り詰めをやること、国会議員の厚遇年金制度を廃止すること。
 こういうことを徹底的にやってからの話でなければ国民は納得すまい。それは自民党や公明党にはできない。誤魔化しをやるだけだからである。それをやるためには、政権交代してやるしかないのだ。
 村上新八