『陰陽大戦記』に爆笑の猫間です。

In article <d2m5fm$vkg$1@zzr.yamada.gr.jp>
携帯@さん wrote:
> 
> 携帯@です。

どうも。ゾウガメフォローですが。

> この記事は、
> スターシップ・オペレーターズに突っ込みを入れつつ擁護するものです。

突っ込み続けた本作も最終回を迎えると寂しいものですね。

> SE:13『モーメント・オブ・トゥルース』について

「moment of truth」で「正念場」だそうで。
まさに正念場でした。


> ●総論
> 
>  確かにタイトル通り一大転機です。地球連合艦隊はやはりワルでした(笑)。ただ、こ
> こまで露骨に地球連合がヘンリエッタ星域を征服しようとしたのにはちょっと吃驚。前か
> ら思っていたのですが本作、意外と善悪がはっきりしていて、対象年齢が低めなのかも。

言われてみれば、そうかも知れませんね。
地球連合の非道な振る舞いは「悪」そのものですから。

>  本作で描かれて来たこと、言いたかったことの多くがラストのシノンちゃんの台詞によ
> り語られているような気がします。これからの彼女達の運命は不明ですが、地球連合が何
> を企もうと、世論はシノンちゃんの味方です。

モニターのこちら側に居る我々視聴者も、ですね。


> ●地球連合艦隊は、本艦に対し、戦闘距離を保ったままです
> 
>  このシーンモニターで確認してからヘッドホンで確かめているようですが、レーダー波
> の逆探知であればヘッドホンは要らないような。やっぱり、潜水艦戦を意識しているのか
> も。

真空の宇宙空間で何を聞くのだろうと、自分もモニターのこちら側で苦笑していました。
別室に観測員がいて、そこからの報告を聞いていた、かなぁ。

> ●射殺の許可は出ている
> 
>  地球連合艦隊の出現を実況で伝えるスターシップチャンネル。
>  地球における放送局に地球連合軍の装甲車が押しかけ、兵士達がスターシップチャンネ
> ルのスタジオを占拠。放送を中断してしまう。

こんな大胆なことをすれば他の報道番組が一斉にスクープ映像を流しそうなのですが、
既に報道協定がされていたのだろうか?
地球連合軍で報道を制限できるくらいならば、武力で占拠しなくても良さそうなもの
ですけれど。
最後は(抑えきれずに?)他の番組でも報道されていましたが。

>  ディータ。コンキスタドールとアマテラスの戦いを生中継なんてしてない筈ですけど?
>  何だか、前回の話と上手くシナリオがつながっていない様な。

それは最終回に限ったことではありませんし (^^ゞ

> ●現在私の艦は、地球連合艦隊と交戦状態にある。香月艦長補佐は
> 
>  それにしても、エルロイ提督。艦長無視していきなりシノンちゃんのことご指名ですか。

キスカの立場がありません(苦笑)

> ^^;;;; 気持ちは判るけど、艦長として礼を失している気が。

死ぬ前に美人の顔を拝んでおこうと思ったのなら、気持ちは分からないでもないです。

>  アニメでは詳しく語られませんでしたが、エルロイ提督は部下の命のため惑星国家コル
> ドバ政府の命令を無視して艦毎王国に降伏した人物。だから、ウォン艦長のことを理解し
> かねると評していたのですが、アニメ版のこの最期はまるで王国軍人としての義務を全う
> したかのように見えてしまいます。もう少し、特異な経歴を持つ提督としての苦悩か何か
> が画面に滲み出てくると良かったと思うのですが、その辺りの事情も含めて軍人だからそ
> の運命を受け入れるということなのかなぁ。

徹底抗戦を決定したコルドバ政府を裏切った、という部分はアニメ版では語られて
いないので、アニメ版を観ただけならばそれほど違和感はありませんね。
しかし、エルロイ艦長とコンキスタドールが王国にとって特別な存在であることは
作中でも触れられていたのですから、設定上は原作通りだったはず。
アニメ版独自の結末にするのなら、原作から削るべき箇所は削って欲しかったなぁ。
#削っちゃいけないところは削るのに。

> ●売国奴
> 
>  銃声で人が倒れた音の後、更に止めまで刺している銃声が響くのが嫌ん。

今度は彼女が軟禁かと思いきや、即時抹殺とは……。

>  最後に笑うのはこいつか…と思ったら、再び扉が開いて先程イザベルを連れ去った黒服
> の他に兵士まで。哀れヘルマンも射殺されてしまいました。
>  王国にこれ以外の勢力がいるとも思えないので、ヘルマンが連れて来た黒服と兵士達っ
> て地球連合軍の兵士達ということかな。

ヘルマンよりも「扱い易い」王国の政治家/軍関係者をそそのかせたのかも知れず。
地球連合で王国の直接統治をするとは思えないので、傀儡政権のトップを餌にすれば
尻尾を振る政治家/軍関係者が出てくるでしょうし。

> ●私は、地球連合艦隊司令。ジョセフ・トルーマンだ
> 
> トルーマン「発言は許可していない。アマテラスは地球連合が接収する。速やかに武装解
>     除し、一時間以内に退艦し投降せよ。以上だ」

キスカの立場が(以下略)

> リオ「私達は用済みよ。むしろ事情を知りすぎてる。邪魔」
> サンリ「銀河ネットを占拠したのは、私達を処分するところを放送させないため」
> 
>  ここまで間宮元総理は予想していたんでしょうか。前回の発言からすると、拘束される
> 位までは予想していた風ですが。

素直に降伏すれば、とりあえず地球までは丁重に(=軟禁状態で)連行されると考えて、
そこからは政治上の駆け引きで助けられるという自信があったのかなぁ。
即時抹殺まで考えていないのは甘い見積もりですが。
#別に殺されても構わない、とまでは考えていなかったと思いたい。

>  地球連合も大義名分を大切にするのであれば、むしろアマテラスを放送通り保護した方
> が良い筈ですが、シノン達を処分した後で後は合成映像と音声で偽物のシノン達のインタ
> ビューとか流すつもりだったんでしょうか。地球連合が腹黒いのは判るんですが、そこま
> でしないといけない事情が今一。ヘルマンを傀儡にして利権だけ頂く方が、地球連合によ
> る直接統治よりずっと効率的だと思うんですが、この世界の大人達は馬鹿揃いだから仕方
> がないのかな。

やはり地球連合のやり口は強引ですよねぇ。
上手いこと言いくるめれば地球連合を正当化するプロパガンダに使えるのに、それを
試そうとしないで高圧的に降伏命令を送るのも、短絡的に感じます。
もうちょっと愛想の良い軍人さんを派遣していれば、リオはともかくキスカくらいは
丸め込めそうだったのに。

> ●フ…面白いじゃねぇか。投降期限までは
> 
>  放送局が兵士達に占拠されているというのにスパイクスに生中継を依頼するなんて普通
> 無理だと思うんですが、その辺り、シノンちゃんは考慮に入れていたんでしょうか。むし
> ろ、何とか放送出来ないかとシノンが呟いて、スパイクスかディータに逆提案させる位の
> 展開…には、時間の都合で出来なかったのかも。

EMAGENCY STUDIO(笑)が用意されているとは、普通は考えませんよねぇ。
  ~
>  そのためにアマテラスは自動航行で地球連合艦隊に向け進み、敵艦に接近したところで
> アマテラスの反物質エンジンを自爆させて自沈することに。
>  やはり、宇宙戦艦ものの最終話は総員退艦ですよ(断言)。

同意!

> ●僕は残るよ
> 
>  イソップの部屋に居たシメイ。固く閉ざされた扉越しに呼びかけるキスカ。
>  シメイは艦に残るという。アマテラスのスラスターが不安定なため、自動では地球艦隊
> に向かわせることが出来ないというのだが、本当はみんなを巻き込んでしまった責任を取
> ろうとしていたのだ。
>  艦が沈む時、艦長が残るというのはお約束ですが、まさか最年少(15歳です、彼は)シ
> メイが艦と運命を共にしてしまうとは。ただ、シメイが士官候補生達を戦いに巻き込んだ
> という側面が本作ではより強く出ていて、犠牲者も多いので、ここで彼が責任を取ろうと
> するのはむしろ当然というべきかも。

同感です。
シメイの楽観的な見通しにシノンが憤ったシーンが、この場面に効いてきますね。
最も若いシメイが犠牲になるのは心情的に引っかかるところもありますが、科学士官
とはいえ正式な士官である彼が責任を取ろうとするのは立派。

> キスカ「シメイ! ごちゃごちゃ言って無いで出て来い! 艦長命令だ」
> シメイ「僕の方が君達より階級が上だ。と言うか正式な軍人だからね。候補生諸君、君達
> 全てをアマテラス乗務から解任する。至急退艦したまえ。以上だ」

この言葉によって、建前上は、アマテラスの行動は全てシメイの命令だったという
形式になりますね。
だから、キスカたちに責任は無い、と。
シノンたちは納得しないでしょうけれど、シメイは立派に責任を取った。
このシーンで、自分の中でシメイの株が急上昇しましたよ。

できることなら、ここらでイソップについての言及が欲しかったところです。
危惧していたように、イソップの謎は語られずじまいでした。
これならば、イソップがタカイに匹敵する射撃を行った場面は削って良かったはず。

> ●最後だ。盛り上げてみせろ
> 
>  敵艦隊に近接したところでシメイは反物質エンジンをオーバーロードさせてアマテラス
> は自沈。その衝撃により地球連合艦隊の四隻が消滅。

4隻も消滅させてしまうのはちょっとやり過ぎという感じもありますが、まぁ、
エクセリヲンは雷王星ごと宇宙怪獣を消滅させましたし(←それは縮退炉だ)

>  アマテラスの撃沈が中継された直後、スタジオになだれ込んだ兵士はスパイクスを射殺。
> テロを見過ごし、余計な犠牲者を出させることになったスパイクスは、最後は自分の命を
> 犠牲にして迄自分が本当にやりたかったのであろう報道を行うことに。

地球連合に捕まった時点でディレクターとしての自分は終わったと覚悟したの
かも知れませんね。
もう報道に関われないくらいならば最期にひと花咲かせよう、と。
やり口は非道でしたが報道番組を作ろうという意欲だけは本物だったのかも。

> ●いや。彼らは自分達で活路を見いだしたのさ
> 
>  本作品の悪党は大概が死んでいる訳ですが、真の巨悪がのうのうと何か言ってますよ!
>  これでキビの政権を取り戻したばかりで無く、ヘンリエッタ星域を地球連合が露骨に支
> 配下に置くことも出来なくなり、一番美味しい思いをしたのはこのおっさんということに。
> この狸が。

政治家になったリオが古狸を追い落とす将来を希望。
#もちろんキスカが秘書に(笑)

> ●戦いの終わりに(全体を通して)

>  アニメ版においてはまず娯楽的要素をそぎ落とし、細かい解説は省略、原作では死なな
> かったはずの登場人物を情け容赦なく戦死させるなど、若者が正義感と勢いで戦いを決意
> した結果の悲劇を描き、それでも情勢は一向に良くならず、むしろ最後には利用されてい
> ただけと気付く…という展開を経て最後に本当に小さな勝利…という話に仕上がりました。

政治的に無力だった若者たちがようやく手にした小さな勝利。
その勝利が報道によって真実を伝えることで得られたことは、開始当初から
戦争と報道を同時に描いてきた本作ならではの結末。
細かい突っ込み所には目をつぶって、視聴後の爽快感に浸ってしまいました。

> # いや、それまで宇宙戦闘艦8隻を沈めているので大勝利とも言えるんですけど。

王国の総戦力の3分の1を打ち破ったわけですからね。

>  原作の選択は悪くなかった(というか水野氏は最初からアニメ化も考慮に入れていたん
> でしょうけど)し、原作を改変してシリアスな展開にしようという考えも、また実際のシ
> リーズの流れも結末も悪くは無かったと思います。

自分も同じく。
シリアス方向への改変自体は悪くないと思います。
問題があるとすれば、原作から必要な部分を削ってしまったこと、そして、
不要な部分まで持ってきてしまったこと。
先にも書いたように、イソップの謎を匂わすような描写は削ってしまって
構わなかったはず。

>  思えば三ヶ月間ここをこうすればもっと面白くなるかもしれないのに〜と手に汗握って
> 本作を観ていた気がするのですが、逆に言えばそれだけ作品に愛情をもって観ていたとい
> うことですよね。^^;;;;

ですね (^^ゞ
厳しいことを言うのは応援しているからですよ。
愛情の反対は憎悪ではなく無関心。

>  それだけに、偶に観られる王国艦隊を次々撃破する戦闘シーンでは爽快な気分にもなれ
> ました。

これも同感。
特に4隻連続撃破は見事。高速回頭で気分スッキリです。

>  後これはわざとだと思うのですが、萌えキャラ満載でありながら、萌え描写が殆ど無い
> というのは潔いというか勿体ないというか。真面目なテーマを描きたかったのでお遊びは
> 最小限にということなんでしょうけど(本当に最小限だった!)。

シノンとミユリのラブシーン(違)が削られてしまったのは、やはり
残念なところ。
しかし、シノンと仲良くなり過ぎると死亡フラグが立ってしまうので、
今回のアニメ版ではこれで良かったのかも知れませんが。

>  では、また次の作品にて。

楽しみにしています。

それでは、お疲れ様でした。

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  猫間 鈴秋 / NEKOMA SUZUAKI
  mailto:nekoma@mvj.biglobe.ne.jp
  http://www5e.biglobe.ne.jp/~nekosuzu/index_n.htm
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