Re: FOXP2
ひろゆきです
#ホームページの更なる充実期待しています。
"おにりん" <onizuka@icot.or.jp> wrote in message
news:ct3bij$fc$1@newssv.kcn.ne.jp...
> > やっぱり20万〜5万年という数字は突然変異のことではな
> > く、このネイチャーの論文でこの遺伝子が固定された時期の
> > 推定である20万年以降1万〜10万年前というのが、変形
> > したものではないでしょうか。
>
> そういうことなんですかね。中立進化みたいな話ですかね。
数字に関してはNHKの「地球大進化」書籍版6巻の元ネタが不
明なので、なんともえいませんが・・・。中立進化というか、
遺伝子が集団に固定されることを明確に意識している分子進化
の考え方なんでしょう。
私が、このスレッドで勉強になったのは、遺伝子が変化すると
いう事を曖昧にしか理解していなかったことを突きつけられた
ことにあります。分子進化を勉強してきた方にはあたり前のこ
とだと思いますが、2つの種の遺伝子を比べた時に観察される
塩基やアミノ酸残基の違いを、漠然とたまたま起こった置換や
挿入、欠損などの結果としてのみ理解していたのに過ぎず、そ
の変異が集団に固定されたからこそ、現在観察可能になってい
るのだということを全く考えていませんでした。私のようなぼ
やけた考え方でも、2つの種の遺伝子の違いが、2つの種が分
化した時と同時に起こる場合はなんとなく分かったような気が
していた(ホントは何にも分かっていなかった^^;)のですが、
FOXP2のように、ヒトとチンプが分化した後で、ヒトの中で遺伝
子置換がおこった結果が、この遺伝子のヒトとチンプにおける
差だと言われても最初はピンときませんでした。
> どっちにせよ、この突然変異が、タンパク質の活性を変えるか
> どうかとか、それによって、言語障害が関係するのかどうかも
> たしかめようがないという点ではFOXP2が、本当に重要かは、
> 全くわからないってことでしょう。
ヒトとチンプを分ける遺伝子ではないことは確かですね。しか
し、FOXP2は胚発生時の細胞分化決定に関係した転写因子の仲
間だと考えられているようですので、かなり有望ではないかと
思います。ま、FOXP2の変異は言語獲得の前提ではあるけれど
も、この一つの遺伝子をもって、言語獲得できたのだとするの
は、時期尚早ではあるでしょうね。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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