From: "iizuka" <iizuka@comp.metro-u>
Newsgroups: fj.soc.history,fj.soc.politics
Subject: Re: 南京事件(Re:靖国問題と中国)
Date: Wed, 6 Oct 2004 17:41:39 +0900

>"Shiro" <h9shiro@tky2.3web.ne.jp> wrote in message
>news:cjq01c$13ps$1@usj.3web.ne.jp...
>
>> >> >>◎佐々木支隊について
>> >> >> 佐々木支隊は歩兵38連隊と歩兵33連隊から成ります。従って
>> >> >>佐々木支隊と歩兵38連隊・歩兵33連隊を同列に並べるのは変
>> >> >>です。
>> >> >> ◎部隊      殺害数      範疇
>> >> >>  1中隊  1300      投降捕虜殺戮
>> >> >>  部隊が「1中隊」となっていますが、この「1中隊」は歩兵33連
>> >> >>隊の部隊つまり佐々木支隊の部隊です。佐々木支隊の部隊を
>> >> >>別立てで数えるのは水増しだと思います。

 この文は青龍さんの<ci5je3$ls$1@news511.nifty.com>で紹介されている
:http://plaza25.mbn.or.jp/~hinode_kogei/DATA.html#nanking_atrocities
の始めの方にある「戦闘詳報・陣中日誌などの日本側史料に基づく、日本軍が
集団虐殺した中国軍民の数」と言う表に基づいています。基になっている表の
出典は「南京事件」(笠原十九司 岩波新書)224〜225ページです。


> 笠原十九司氏の「南京事件」に、両部隊の記述をそれぞれ
>捕虜殺害の証拠として上げています。(155p)
> また最後の一覧表で、この殺害者数をそれぞれ記述してい
>ます。(225p)
> で、あなたの根拠は?

 笠原十九司氏の「南京事件」の虐殺数は水増しだという意見を否定する論拠
に笠原十九司氏の「南京事件」を挙げても無意味です。


>> >> > 次に大平門・仙鶴門の守備を命じられていた両部隊に対して、
>> >> >38連隊は堯化門の守備から長江へ、33連隊は下関から長江
>> >> >の掃討を行っている。
>> >> > 命令が違うから戦闘詳報が出ているわけで、佐々木部隊の
>> >> >数に組み入れられていることは考えなくてよい。
…
>>  大平門守備を命じられていた「1中隊」は歩兵33連隊の部隊な
>> ので、歩兵38連隊戦闘詳報を紹介しても無意味です。
>
> 33連隊は既に記述しています。

 大平門守備を命じられていた「1中隊」の記述の無い歩兵33連隊の戦闘詳
報を紹介しても、「佐々木部隊の数に組み入れられていることは考えなくてよ
い」の論拠にはなりません。


>> >> >>◎部隊      殺害数      範疇
>> >> >> 歩兵38連隊  5000〜6000  長江渡江中殺戮
>> >> >> 歩兵33連隊  約2000   〃
>> >> >> 範疇が「長江渡江中殺戮」となっていますが、移動中の敵部隊を
>> >> >> 攻撃する事を虐殺とするのは水増しだと思います。
>> >> >
>> >> > 戦闘詳報に
>> >> >「午後三時三十分、前衛の先頭下関に達し、前面の敵情を捜索せし結
>> >> >果、揚子江上には無数の敗残兵、舟筏その他あらゆる浮物を利用し、
>> >> >江を覆いて流下しつつあるを発見す。すなわち連隊は前衛および速射
>> >> >砲を江岸に展開し、江上の敵を猛射すること二時間、殲滅せし敵二千
>> >> >を下らざるものと判断す」(南京事件関係資料集2)
>> >> >
>> >> > 既に「敗残兵」と自分で書いてる敵を攻撃してますね。
>> >>
>> >>  範疇が「長江渡江中殺戮」となっていますが、敗残兵であっても移
>> >> 動中の敵部隊を攻撃する事を虐殺とするのは水増しだと思います。
>> >
>> > で、「敗残兵の殺傷が国際法違反でない」というなら、「陸戦の法
>> >規慣例に関する規則」第二章の各規定に反しない根拠を述べてくだ
>> >さい。

 「敗残兵の殺傷が国際法違反でない」と言っていません。言ってもいない事
を言ったと言うのは難癖です。


>>  国際法違反かどうかについて言うなら「敗残兵であっても移動中の
>> 敵部隊を攻撃する事は国際法違反でない」となります。
>
> 根拠を提示してください。

 秦郁彦著「南京事件」p189の『[a、敗残兵の殺害] 主として追撃戦
の局面で、敗走する中国兵の集団に大砲や機関銃火を集中して壊滅させた場合
などで、正規の戦闘行為である』です。


>>  なお「陸戦の法規慣例に関する規則」
>http://members.at.infoseek.co.jp/NankingMassacre/sougou/ko_hou/rikusen_k.html
>> には「敗残兵」と言う言葉がありません。「敗残兵」と言う言葉がある『「陸
>> 戦の法規慣例に関する規則」第二章の各規定』を教えて下さい。
>
> 敗残兵の扱いに関しては、第二款の禁止事項に反しない理由を
>述べてくださいと訂正します。

 「陸戦の法規慣例に関する規則」第二款のどの規定「敗残兵」と言う言葉が
あるのか教えて下さい。


>> >> >> 佐々木支隊 一万数千 敗残兵殺戮
>> >> >> 範疇が「敗残兵殺戮」となっていますが、佐々木回想録では「こ
>> >> >> の日我支隊の作戦区域内に遺棄された敵屍一万数千」です。
>> >> >> どの様に死んだかを無視して敵屍を全て虐殺とするのは水増
>> >> >> しだと思います。
>> >> >
>> >> > どんな状態だったかは、「中島十六師団長日記」にあります。
>> >> >
>> >> >「だいたい捕虜はせぬ方針なれば、片端よりこれを片づくることとな
>> >> >したる(れ)ども、千、五千、一万の群集となればこれが武装を解除
>> >> >することすらできず、ただ彼らがまったく戦意を失い、ぞろぞろ付い
>> >> >てくるから安全なるものの、これがいったん掻擾(騒擾)せば、始末
>> >> >にこまるので、部隊をトラックにて増派して監視と誘導に任じ、十三
>> >> >日夕はトラックの大活躍を要したり」
>> >> >「中島十六師団長日記」(中央公論社1984.12.25)
>> >> >
>> >> > 最後に「13日夕」と日にちが入ってますね。
>> >> > 内容を見ればわかるとおり、既に戦闘は終わり、投降兵の処分
>> >> >になっています。
>> >>
>> >>  佐々木回想録の「敵屍一万数千」と「中島十六師団長日記」のこの
>> >> 部分はどうつながるのですか。
>> >
>> > 失礼。
>> > 私が指摘したのは、「佐々木部隊だけで処理せしもの約一万五千」
>> >の記述に対応するものです。
>>
>>  「中島十六師団長日記」の「佐々木部隊だけで処理せしもの約一万
>> 五千」と佐々木回想録の「この日我支隊の作戦区域内に遺棄された
>> 敵屍一万数千」が対応すると言う事は、「どの様に死んだかを無視し
>> て敵屍を全て虐殺とするのは水増しだと思います」が成り立つと言う
>> 事です。
>
> なぜ?
> 戦意を失い、ぞろぞろついてくる捕虜を殺せば、虐殺でしょうが。
> どのように死んだかは、トラックで紫金山に運んで殺したことが、
>わかってるでしょうが。

 捕虜が虐殺されるためにぞろぞろついてくるとは思えません。
 紹介されている「中島十六師団長日記」からは「トラックで紫金山に運んで
殺したこと」は判りません。