Path: ccsf.homeunix.org!ccsf.homeunix.org!news1.wakwak.com!nf1.xephion.ne.jp!onion.ish.org!news.daionet.gr.jp!news.yamada.gr.jp!passion.nalgo.co.jp!news.moat.net!border2.nntp.dca.giganews.com!nntp.giganews.com!nntp1.phx1.gblx.net!nntp.gblx.net!nntp.gblx.net!nntp4.phx1!news.k-opti.com!bluegill.lbm.go.jp!toda From: toda@lbm.go.jp Newsgroups: fj.sci.geo Subject: Re: 大気の自転 Date: Tue, 5 Oct 2004 09:55:30 +0000 (UTC) Organization: Lake Biwa Museum, Shiga Prefecture, Japan Lines: 89 Message-ID: References: <415A6165.25250AE0@yahoo.co.jp> <1nO6d.7$2w.1@news7.dion.ne.jp> NNTP-Posting-Host: araizeki-dmz1.lbm.go.jp X-Trace: bluegill.lbm.go.jp 1096970130 18888 192.168.254.33 (5 Oct 2004 09:55:30 GMT) X-Complaints-To: usenet@bluegill.lbm.go.jp NNTP-Posting-Date: Tue, 5 Oct 2004 09:55:30 +0000 (UTC) X-Newsreader: mnews [version 1.22] 1999-12/19(Sun) Xref: ccsf.homeunix.org fj.sci.geo:125 In article dh.shiozaki@s3.dion.ne.jp writes: >#本題に戻っていただければと思っています。 そうは言われてもですね…… どうも、議論が発散するか、同じところをグルグル巡って進まないか どちらかになってしまって手の出しようが無いというのが正直なところでしょうか。 とりあえず、原点に戻りますね。 一番最初の段階で私が書いた In article I write: >「そもそも最初にどうやってそういう状態になったか」と >「何故そういう状態が維持されているか」を >分離して考えた方が良いですね。 を、まず思い起こしていただきたいと思います。 そして、とりあえず後者の 「何故そういう状態が維持されているか」 の問題から片付けましょう。 一番最初の私のコメントの続きで、 >すると、「相対速度が大きい→摩擦によるエネルギー散逸が大きくなる」 >(「摩擦」には日常的に観察される摩擦の他、 > 巨視的に摩擦と等価と看做せる現象、 > 例えば不安定波動が引き起こす乱流拡散などを含みます) >ということに気付きます。 と書いた中に、 「巨視的に摩擦と等価と看做せる現象」 という表現を使った意味は解るでしょうか? これはおそらく、山賀さんのメールを転載された部分に In article <1nO6d.7$2w.1@news7.dion.ne.jp> dh.shiozaki@s3.dion.ne.jp writes: >「謎解き・海洋と…」でも巧妙に「摩擦」という言葉を避けているはずです。 とあるのと、本質的には同じことだと思います。 要するに「メカニズムはどうでも良いから」 とにかく「摩擦に相当する作用」 つまり「相対速度を小さくしようとする作用」が存在する ということが重要なんです。 その作用の具体的なメカニズムは例えば、 In article solsys@bu.iij4u.or.jp writes: >回転している地表にデコボコがあり、 >それにぶつかると回転方向に速度が加わります。 というようなものでも構わないわけです。 In article dh.shiozaki@s3.dion.ne.jp writes: >「流体力学」の分野では、分子レベルでなくある塊単位で扱うこと >がのべられていました)<-(以前の、戸田さんの関連でチラッと読みました) とあったので、大体は理解いただいていると思いますが、 水や空気の物性としての「粘性」(分子粘性)では、 現実に大気や海洋や湖沼で起こっている現象が説明できません。 それよりも何桁も大きな「粘性」を仮定せねばならないのです。 当然、分子粘性とはメカニズムが全く違うものと考えられるわけで、 「渦粘性」とか「乱流粘性」とか呼ばれており、 鉛直方向と水平方向で粘性係数が違うなんていう、 分子粘性では有り得ないことも起こってきます。 そして、この「渦粘性」の本質的なメカニズムは何かということも 研究されていますが、多くの研究者は、あまり関心を寄せていません。 それは、とりあえず経験則として「渦粘性」の存在を認めれば、 それを元に種々の現象を説明し予測することができるということで、 むしろ実際に説明や予測を行うことに精力を傾ける必要があるからです。 「実際に説明や予測を行う」という作業を定量的に進めるには、 「渦粘性」が「分子粘性」と同様に、運動に対して線形に作用する という数学的性質を仮定する必要がありますが、 定性的な考察を進めるに際して本質的に重要なのは、 「相対速度を小さくしようとする」という作用の向きだけです。 とにかく、そういう 「相対速度を小さくしようとする」「摩擦に相当する作用」が 存在しているということが重要なんです。 どんなに強い重力で押さえつけられていようと、 「摩擦に相当する作用」が全く何も無ければ、 水平方向に滑ってしまい、相対速度は小さくなりません。 ================================ 後者の 「そもそも最初にどうやってそういう状態になったか」 については、佐脇さんが早い段階から指摘されている、 In article <415A6165.25250AE0@yahoo.co.jp> fi_sawaki@yahoo.co.jp writes: >> それにしても、先の、赤道の周速が、あまりにも大きいので、 >> どうも合点が行きません。 >> どなたか、説明していただけないでしょうか? > どうも汐崎さんの考え方を見ると、最初静止していた地球があって、そこに >大気がどこかからやって来て地球にまとわりついてから地球が回転を始めた、 >みたいに思えますが、そこが変ではないですか? が、とりあえず現時点では全てではないでしょうか? 戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館 toda@lbm.go.jp