In article <411e206a.8900%szk_wataru_2003@yahoo.co.jp> szk_wataru_2003@yahoo.co.jp writes:
>>「奇麗(綺麗)」は、「奇」では意味が全然違うので不可。
>それならやっぱり、希少(稀少)とか希釈(稀釈)を挙げないと。
>昔あった冗談で、希硫酸=薄い硫酸、希望=薄い望み、なんて言われてしまう
>わけで。
全然「冗談」じゃないと思いますけど。
「希望」は字義通りに解すれば「薄い望み」=「かすかな望み」です。
(「希」の最も標準的な訓は「まれ」)

「稀」→「希」の書き替えは、「濃度」と「頻度」という差異こそあれ、
「うすい」という意味自体は同じなんですから、
それほど酷い書き替えとは言えません。

「希望」や「希求」は、本来は「冀望」「冀求」と書くべき言葉であるようです。
「冀」は「乞い願う」というニュアンスです。
#上行を変換しようとして「こいねがう」を変換したら、
#ちゃんと「希う」と「冀う」が出てきたのはビックリした。
#Windows 98 SEのMS-IMEです。

「希」を「冀」の替わりに使うようになった
(戦後の書き替えではなく、もっと古い)のは、
音の一致ということもあるんでしょうが、
「叶うべくもない望みですが……」という下手に出た態度から
来ているのではないかと思っています。確証はありませんが。

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp