"HATORI nobuo" <hattorin@ta2.so-net.ne.jp> wrote in message
news:hattorin-1406040015010001@news01.so-net.ne.jp...
> In article <cae81h$oqf$1@news-est.ocn.ad.jp>, "Golden Cross"
> <pumpkin-soup@coral.ocn.ne.jp> wrote:
>
> > "HATORI nobuo" <hattorin@ta2.so-net.ne.jp> wrote in message
> > news:hattorin-1206041159200001@news01.so-net.ne.jp...
> >
> > > 自主憲法制定
> > > アメリカが作った憲法だから、日本人自らの手でアメリカに好かれる憲法にし
> ょう
> > > 。
> > >
> > > http://www002.upp.so-net.ne.jp/HATTORI-n/012.htm
> >
> >
> > なるほど。以上のご意見は「いやみ」という風に私は受け取り、それで「なるほ
> ど」
> > と申し上げたわけですが、それでよろしいのかな??
> >
>
> > 引用サイトの記事を拝見しますと、裁判所が憲法判断に踏み切らないことが最高
> 裁判所
> > の憲法の番人という性格を放棄する形になっており、時に内閣の言う憲法判断が
> 公権
> > 的解釈となったりで、それぞれの権力部の言う憲法判断がそのまま通用する形に
> なっ
> > ている、とするご趣旨のようです。
> >
>
> それほど深い意味はないのですが、お説の通り「いやみ」です。
>  御指導に感謝します。なかなか難しい問題ですね。
>
> 超法規的なことを否定するものではないのですが、9条は永年にわたり論争が絶え
> ないので、
> 1議員に対する人口数の不公平もそうですね。それで最高裁の出番と思ったのです
> 。
> 憲法の権威や司法の権威を考えてのことなのです。
>
> 日本では泣き寝入りが多いようですが、司法の親近感とか信頼性とかも、も少しあ
> ったら良いと思うのです。

裁判所が憲法判断を控えるその原因として、国民自身が大いに関心を持つべきものが
横たわっているのではないか、ということを指摘申し上げたい。結論から申し上げれ
ば、それは、「法曹一元化論」であります。言葉としては叫ばれてから久しいのです
が、私は、ここでは、これを、裁判所の憲法判断への自信のなさの問題として捉える
ことが出きるという立場で議論を追加したい。

ご承知のとおり、日本は、アメリカとは異なり、必ずしも弁護士の経験を十分につん
だものではなく最初から内に外に国家の権威に守られた職業裁判官制度を採用してお
るわけであります。勿論最高裁裁判官は内閣の任命で弁護士から登用される場合があ
ります。しかし、今回の国土交通省の大臣や外務大臣と関係官僚との摩擦を見ても明
らかなとおり、延々と培われてきた組織とその性格を変えることは容易なことではな
く、この問題に関しても、民間から最高裁判官が少数登用されたからといって、その
組織の性格を変えるまでには到底行かない。

したがいまして、現在の我が国の裁判官制度は職業裁判官制度そのものであると決め
てかかっても、ここでの議論としては一向に差し支えない。さて、この職業裁判官制
度では民間の意を十分に汲むことができず、いわば世間知らずになりがちであって、
ただ権威的姿勢のみが維持され受け継がれるのみで、それでは民主主議社会には馴染
まないのではないか、くらいはこれまでも各方面から叫ばれては来た

しかし、私は、少なくとも、この憲法判断のときだけは、裁判所に、「権威的姿勢で
いたい」という欲求とは別の、というよりむしろ逆の心理状態を読み取らざるを得な
いのであります。すなわち、裁判官達はこのときは、少なくとも、自己のための権威
や保身などよりは個々の国民の総体としての日本国民の行く末はどうあるべきか、日
本国民全体をどのような舵取りのもと導けばいいか、総体としての国民の気持ちを知
りたい、こう思うのではないかと推察するのです。これに自信が持てる限りは自己の
法的センスを加味すれば憲法判断など控えるには及ばないはずだからです。

ところが、実際の彼らは生の国民をあまり知らない。この意識、これが拭い切れない
のであります。当たり前といえば当たり前。物事には頭の中で空想するだけでは如何
ともしがたい事ってたくさんあって、実地に訓練しなければ話にならず、為に、自信
をもてないことは数多く存在する。私は、これが、裁判所を憲法判断から遠避けてし
まう大きな原因になっているものと考えるのであります。

そこで、われわれ国民が取るべき態度として、やれ、今回のイラク特別措置法は違憲
だ、どうの、憲法九条は違憲だ、どうの、と何か個々の問題の先っちょだけを問題に
するのではなく、何故裁判所が重い腰を上げるようにならないかを、根幹に戻って議
論することがなくてはならないのではないかと思うわけであります。「法曹一元化
論」などはガチガチの法解釈の問題ではない。敢えて法学的にいうならば「立法論」
であります。「立法論」ならば、jijiやpolitics論者のほうが遥かに的を射たセンス
を発揮できるはずなのであります。私は、これを期待したい。

さあ、国民の議論でもって、裁判官から「世間知らず」という自信のなさの重圧を取
り除いてあげようではありませんか?法曹一元化がそれを解決してくれる一つの原因
にはなるにちがいないのです。