拉致被害者からの熱い要望があるからと言って、この時期に訪朝とはどうも解せな
い。何がどうなっているんだろうか?私が推測できるのは以下の三つであります。

(1)年金問題における失態で首相のイスが危なくなることを感じ取った小泉氏は、
かねてから気がかりであった拉致被害者からの血を吐く思いの懇願が脳裏から離れ
ず、良心の呵責に耐えかねてか、はたまた首相退陣後の後悔を避ける意味でか、後ろ
髪を惹かれる思いが訪朝を決意させた。まあ、これなら人間的にはまっとうな態度と
いえそう。

(2)くだらない年金未納問題でこう着状態にある政局から国民の関心を逸らし、同
時にそれによって失われた失点を補うために苦し紛れにとった措置。これと同種の理
由を指摘しているのがニュースグループ。

(3)私の考え。すなわち、ブッシュから頼まれたことを実行したまで。ブッシュは
イラクでの形勢不利と泥沼化を日増しに心配せざるを得ない状況にある。他方で北朝
鮮にも注意を払い、派兵準備と目される行動をとろうモノならばアメリカ国内での
ブッシュ叩きは公然としたものになろう。これを避けるには今しばらくは北朝鮮に大
人しくしていてもらわなければならない。それを担ったのが今回の小泉訪朝でありま
す。経済制裁はしないこと、食糧支援をすること、これを伝えにいくのが主たる目
的。拉致問題の解決は二の次。いわばただで北朝鮮に支援するのは口惜しいので拉致
問題解決と引き換えであるかのような形をとっただけ。日本国内向けには主従が逆転
したイメージを持たせてとりあえずの「政治」を行った。

さて、皆さんはどう考えますか?