厚労省の「のぞみの園」縮小は残酷だ
厚労省は、重度知的障害者介護施設の「のぞみの園」の入園者のうち40%を退
園させ、各出身地域のグル−プホ−ムに移し、ゆくゆくは施設そのものを廃止すると
いう。
「のぞみの園」は家庭では介護ができない重度の知的障害者を入園介護する国の
施設で、現在の入園者は400名を越すが、「東大に入るより難しい」といわれるく
らい、なかなか入園できない施設だという。知的障害者達は終の棲家としてここに
入って、終身平穏に暮らすのである。園自身が入園者個々人について個別調査したと
ころでも、退園可能とみられるのは7,8名しかいないというのだから、当面の4割
退園などはとても無理な話である。
ところが、厚労省は、予算削減の一環として、このような施設まで経費削減の手
を伸ばしてきたのである。入園者の保護者は当然猛反対、激しい抵抗を示している。
全国240個所以上の市町村を対象に、このような知的障害者を受け入れるグル
−プホ−ムの受け皿や介護資格者があるかどうかをアンケ−トしたところ、あると回
答した市町村は一桁パ−セントに過ぎなかったというのだ。この問題について、厚労
省の役人は「受け皿についてはこれからの調査事項です」と無責任極まることを言っ
ている。
入園者を追い出す前に、受け皿の有無、程度をまず調査し、足りなければまず受
け皿の準備をすることが先決なのに、何にもしないで、園の縮小を決めるというは誰
が考えてもおかしな話である。
沢山ある厚労省の外郭団体を潰し、そこに天下りしている厚労省官僚OBの給料
や退職金を減らしてもこのような施設は人道的措置として、最優先的に維持すべきも
のである。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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