2004/2/4
 転職を続けることは必ずしも悪いことではない。
例えば、発明王エジソンは、新聞売り子→無線通信士→発明家、
鉄鋼王カーネギーは、糸巻き工→無線通信士→鉄鋼会社設立、
だいたい主としてそんな経歴だし、ライト兄弟も、日本の豊臣
秀吉も若い頃は多くの職を経験したという。その他にも多くの
偉人・成功者が「フリーター」経験をしたことだろう。
 これは、かなりの人物でも若年で自らのあるべき姿を、実地
に経験せずに見つけるというのはかなり困難であることを指す。
また、彼らが絶えず上昇志向を抱いていたことの裏返しでもあ
る。
 さらに、エジソンは、小学校中退(今でいうと不登校?)だ
し、豊臣秀吉の若い頃は先生が教える教育を受けていない。
彼らに共通しているのは、ま当時としてはそれで普通だったの
だろうがガッコーというものをそんなに出ていない、今から見
れば低学歴ということだ。それが幸いして早く社会に出ること
ができ、転職を繰り返すことでも自らの適性を見出していく余
裕があった。
 一方、現代の若者は不幸にして、多くの学校を、それも入学
するのが難しい学校を卒業することがまず求められて、職を
「考える」ことすら先送りにされている。さらに不幸なのは社
会に出るのが遅れたことだ。今の多くの若者は昔よりおよそ10
年も遅い。寿命が延びても青年期の時間的価値に変わりはない。
 しかもいい仕事というのは、20代でないと就けないから、
せっかく、大学を出てもマゴマゴしていると、小企業の低賃労
働者として生涯を送ることになる。
 年齢は取り戻すことができない。現代の多くの若者は貴重な
青年期の社会経験に短い時間しか当てることができない、とい
うハンデを背負わされている。
jel.