鈴木です

恭賀新年,年のはじめの試しとて...ではないですが,
去年暮れに積んGETしたままだった Yellow Dog Linux 3.0.1
(コードネーム?は Sirius) の ISO イメージを Mac OS X
"Panther" 標準装備の "ディスクユーティリティ" で焼いて,
かねてから用意しておいた iBook (late 2001 モデル) の
7GB のパーティションにインストールしてみました。

新しい PowerBook を Panther 専用にして日常使う一方,
やや古くなった iBook を実験用マシンとして Panther, OS 9,
GNU/Linux の三重ブートにすべく去年秋の Panther ファミリー
パックのインストール時にディスクを切って空けておいたわけです。

で,その Sirius が予想外に良かったので,こうしてこの記事を
したためた,という次第です。ポイントを列挙すると

* www.yellowdoglinux.com から公開され,あちこちミラー
  されている ISO イメージは,特に英語版とも何語版とも
  銘打たれていませんが,それもそのはず,日本語も含め,
  全部入りのようでした。
  「日本語」を選択すると,インストーラも日本語表示に
  なりました。Canna や kinput2 もインストールされました。
  Linux を起動すると,KDE のメニューも日本語ですし,
  ただちに日本語入出力可能な状態 (ただし EUC-JP) に
  なっていました。
  (man ページが ISO-2022-JP なので | nkf -e としない
  と読めないとか,細かい点ではいろいろありますが)

* 「ワークステーション」としてインストールしましたが,
  2.0GB ほどディスクが占有されました。
  ISO イメージは3枚とも実際に必要でした。

* G3/600MHz/256MB なマシンですが,動作は十分軽快です。
  (Panther でも "ターミナル" を半透明にしたりさえ
  しなければ十分軽快ですから,特に利点ということでは
  ありませんが)

* グラフィック,サウンド等も自動で認識されました。
  下記のスリープの件も含め,ハードウェアとの整合性は
  良好のようです。

* フタを閉めればすぐスリープに入り,ランプの点滅が
  はじまります。開ければ2秒ほどで復帰します。xmms
  で MP3 ファイルを演奏している途中でも無事スリープ
  して復帰し,演奏を再開しました。

* HFS+ パーティションの読み書きもできます。
  ただし,ひょっとしたらどこか設定を見落としているだけ
  かもしれませんが,自動マウントはしてくれないようです。
  自分の場合は root 権限で /Panther を mkdir して
    mount -t hfsplus /dev/hda12 /Panther
  しました。ファイルを書き込んだ後,Panther をシングル
  ユーザモードで起動して fsck -f してみましたが,特に
  異常はないようで,書き込み操作に問題はなさそうでした。
  しかし,それでも,うっかりこわすと怖いので今は
    mount -t hfsplus -o ro /dev/hda12 /Panther
  で read only にしています。
  前述の xmms もこうして iTunes 用フォルダのファイルを
  直接演奏したものです。

多少問題点を挙げると

* HFS+ パーティションでもユーザ id とパーミッションは
  そのまま有効です。
  Panther はデフォルトで 501 からユーザ id を割り振る一方,
  Yellow Dog のインストーラで一般ユーザを作ると 500 から
  割り振られます。
  ですから,1個しか一般アカウントを作っていない場合,
  前述のように Panther のパーティションをマウントしても,
  id 違いで自分で自分のフォルダにアクセスできないわけです。
  Yellow Dog で 501 のアカウントを (わざわざ) 作る必要が
  あります。

* トラックパッドと USB マウスは両方同時に使えます。
  USB マウスのホイールも使えます。
  しかし,トラックパッドのみの場合,中ボタンや右ボタンをどう
  したら押せるのか不明です。

* この iBook は英語キーボードですから,Ctrl キーが押しにくい
  位置にあります。
  しかし,/etc/X11/XF86Config で "ctrl:swapcaps" の設定を
  しても,Ctrl キーが Caps Lock キーになるばかりで,
  Caps Lock キーは Caps Lock としても Ctrl としても機能
  しませんでした。

Panther に比べれば完成度は低いですが,GNU/Liux としてみれば,
スリープ機能などもあって,並以上ではないだろうか?と思います。
(使ったことはありませんが,Mac の日本語キーボードだったら
Ctrl キーもはじめから正しい位置にあるでしょうし... ;-)

雑誌等に取り上げられることもなく,ネットを検索しても日本語で
の情報がほとんどないのが不思議なくらいに思いました (?_?)

-- SUZUKI Hisao