In article <3989290news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp> kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
>ないんだな。それが。保険料と株主の配当の性質を考えるとわかり
>ます。保険会社が遺伝情報を用いて保険を運用するのは一種のイン
>サイダー取り引きのようなものです。「インチキ」と言ってもいい。

約款等、保険契約に予め謳ってあるならインチキではないでしょう。契約後に
勝手に制限を加えると問題ですけど。
# 謳ってあっても字が小さくて読めないけど :-)  それは別の話

>そもそも、これだけ変化の激しい社会で、お役所的な規則は間に合
>わない。さらにいうなら、確率を予測できるような事故があるって
>のは既に昔のこと。

だから無制限に保障すべきってのは、私企業の行う保険業に求める事じゃない。
勿論、保険会社が知っていて隠す様な不正を行っているなら別ですが、新たに
判った事柄を以後の契約に盛込むのは仕方ない。
実際には、保険契約には色んな免責事項が有って、個々の事例が免責事項に当
るか当らないかの解釈で揉める可能性は有ります。それは最終的には裁判で決
着付けるしかない。

>椎野さんの「今までの規則と保険でうまくいく」ってのは完全に時
>代遅れになっているわけさ。例えば、船舶に使われているスズ系の
>塗料が環境ホルモン的な被害を生じるって話がありますよね。それ
>を補償する保険は存在しますか?

有るかどうかは知りません。船級の審査迄は多少知ってるけど、保険契約は全
然興味無いのであった :-p
一般論として、将来規制されたり問題になったりする可能性が有って、どうな
るか判らない話ってのは、日本の保険会社辺りじゃ中々手を出せないけど、ロ
イズのネームなら引き受ける可能性は有ります。但し、かなり短期の掛捨で、
結構保険料が高そうなんで、そんな保険を掛ける所が有るかどうかは知りませ
ん。
船の事故に関しては、タンカーの座礁なんかで結構凄い額の保険金が支払われ
てる例があるらしいです。ここ20年位でタンカーの構造が大きく変わったんで
すが、その前は大型タンカーの座礁が大災害を引き起こした。
船の事故だけじゃありませんが、大事故が重なって複数のネームが破産したて
な話を聞いた事もあります。

>存在しなかったらどうする? もし、それによって大規模な漁業資源
>破壊が起きたら、造船業界が環境破壊のつけをすべて払うことにな

船による物なら、一義的には海運業者か塗料メーカですね。ドックから流れ出
たとか塗り方が悪いとかなら造船所だけど。
誰が払うかはどうでも良い話ですが、塗料に関しては、国内法にしろ国際的な
取決めにしろ、色々規制が出ていて、これに反していれば反した所が刑事・民
事の責任を問われますが、反してない時に何処まで民事責任を問えるかは判ら
ない。
日本の現状で見ると、一審レベルでは結構認められそうですが、最高裁迄行っ
て原告敗訴になりそうだなあ…
アメリカなんかだと、規制が緩くて被害が出ると監督官庁が民事で訴えられる
場合が有るそうです。だもんで、米国内の環境とか安全とかには妙に規制がき
つかったりする。

>    ミクロな選択の例
>          酒を飲んだら運転しない。携帯電話をかけながら運転しない。
>    マクロな選択の例
>          車の運転者には保険を義務づける

>みたいな感じ。もちろん、それだけに限るわけではないけど。

私の考えでは、
ミクロな選択: 酒を飲んだら運転しない、携帯電話を掛けながら運転しない。
マクロな選択: 飲酒運転を禁ずる、携帯電話を掛けながらの運転を禁ずる。
又は、
ミクロな選択: 車持ったら (又は運転するなら) 保険に入る
マクロな選択: 運転者に保険を義務付ける
ですね。
河野さんのは違う物に無理矢理「ミクロ」「マクロ」と名付けてる感じ。

>みたいなことをやっているわけ。それを僕達は知り得ない。何故なら、
>保険料率を決定する資料は保険会社の外に出て来ないから。それは、
>間違っている。

>一方で、保険料を直接統計から導出するとすれば、その統計を明示
>しない限り保険料は決定しないので、保険会社がインチキすること
>はできません。

だったら、明示しない保険には入らずに明示した保険を選ぶとか、自分で
そう云う保険を企画するとかすれば良いでしょう。で、被保険者がどっち
でも選べば良い。仰る様な保険の保険料が幾らになるか、業として成立つ
かどうか判りませんけど。

河野さんの仰る様な事は、やはり業としての保険業よりは社会保険と言う
か、社会保障の範疇でないと難しいと思います。被保険者が他の保険契約
や保険会社に逃げられる様だと成り立たないんじゃないかと云う気がしま
す。
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                                椎野正元 (しいの まさよし)