田中真紀子が「拉致被害者の子供達の国籍は北朝鮮、従って日本に来させ
るのは困難」とか語ったのに対し、「拉致被害者家族会」や「救う会」が
抗議したと伝えられる。真紀子は率直に事実を語ったまでのこと、救う会
らが抗議するのは馬鹿げている。

北朝鮮の国籍法がどうなっているかは分からないが、恐らくは、拉致被害
者の子供らは、皆、北朝鮮側の戸籍簿(かどうかは分からないが)に登載
されているであろう。これに反し、日本の戸籍簿には登載されていないで
あろう。だとすれば、真紀子の言うとおり、彼らはれっきとした北朝鮮人
なのである。

国籍に関する法的扱いは、血統主義や属地主義など、その国によって異な
ることは常識。これを調整するのが、国際私法の分野である。しかしこれ
とて、国交がなければやりようがない。
従って、また、真紀子が「日本に来させるのは困難」と演説したのも真実
をついていて間違ってはいない。

自民党安倍幹事長は、自民党内に「対策本部」だか何だかを作って、国民
運動を展開するらしいが、なんちゅうこたあない、拉致問題を選挙の集票
マシンとして利用しようという魂胆だろう。
いつ果てるともない拉致問題、今後長期間にわたって解決の見込みがつか
なくなってしまった原因は、ほかならぬ「家族会」や「救う会」らの対応
のまずさと、これに迎合する安倍自民党幹事長らにある。