行為の評価は行為の目的、手段、結果に対して行なわれるということを以前述
べましたが、このスレッドでは、まず、目的の評価について考察してみます。

一般に、行為の目的は、
(1) 状況Xを状況Yへ変化させる
(2) 状況Zを変化させない
のどちらかもしくは両方を複数組み合わせたものです。
ただし、労力を必要をしないものは行為の目的に含まれません。放置しとけば
XからYに変化するのならそれは目的に含まれないし、放置しとけばZのまま保
たれるのならそれは目的に含まれません。
そういった自然の推移を含めて「状況」と呼ぶならば、行為の目的は(1)に集
約されます。
# 運動方程式と慣性の法則を分けて書いたようなものだな。


さて、マッチポンプにおける「消火」の目的は、

> KGK == Keiji KOSAKAさんの<bl3vu5$g12$1@film.rlss.okayama-u.ac.jp>から

>> | 「消火」に関しては、実行前の状況として、
>> | A: 人の生命・財産への被害が拡大中
>> | B: 内心の満足は得られていない
>> | C: 自分で火をつけた
>> | というのがあって、実行後に
>> | a: 人の生命・財産への被害を食い止める
>> | b: 内心の満足を得る
>> | c: 自分で火をつけた
>> | という状況になることを目的としてるわけです。

というものになるわけですが、C -> c の推移は全く労力を必要としないもの
なので、行為の目的には含まれません。
ですから、この状況下での「消火」の目的は、「A -> a」と「B -> b」の二種
類の変化で評価されます。

! "<3f8fe59e$0$19843$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp>" という記事で
!     Fri, 17 Oct 2003 21:50:49 +0900 頃に wacky  さん は言ったとさ:

> それは単なる「消火」の話であって「放火して消火」ではない。

というわけで、ちゃんと、「自分が放火した」という状況下での「放火」とい
う行為の目的を評価してます。
「放火」と「消火」を一連の行為としてとらえた「マッチポンプ」を評価する
のなら話は変わってきますが、私はそんなものを評価してるわけではありませ
ん。

> 1.偶然に火事に出喰わして善意から消火した
> 2.自分で火を点けた後に何食わぬ顔で現場に登場し、消火した
> では状況に大きな違いがあるわけですが、KGK氏は無視しているようですね。

事前の状況に違いがあるだけで、消火の前後の状況の変化は大差ないですね。
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KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
KG  KGK (life name: Keiji KOSAKA), Dept. of Phys., Okayama Univ.        K
KG kgk@film.rlss.okayama-u.ac.jp http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/ K
KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK