Re: ロボット社会と定常的な失業者増大について
"Shin-ichi TSURUTA" <syn@emit.jp> wrote in message news:bhs334$2qqa$1@nwall2.odn.ne.jp...
> GONさん、こんにちは、鶴田です。
>
> "GON" <gon@mocha.freemail.ne.jp> wrote:
> > 「ロボット」と一言で言いましたが、それは人間の肉体労働を代わりにやってくれる
> > 自律型ロボット意味です。単純労働の人口は非常に多いわけですから、それらに
> > 取って代わるロボットが大量生産されれば失業問題は深刻になるでしょう。
>
> 別に深刻でもなんでもありません。社会全体のエネルギーで考えれ
> ば、こんなことは一瞬でわかる話です。
この視点は面白いですね。エネルギーでものを考えるというのは物理でも同じ。
つまり、人間が生きていくために必要なエネルギーの収支で考えるってことですね。
> 人間が生きていくのに必要なエネルギーを得るのに、人間が出しう
> る労働力以上を必要としたら、人類は全滅します。ギリギリ出せる
> 程度だと、なんとか生きていけます。自然界はそんな感じですよね。
> で、産業や科学技術が発展するにつれて、生産の効率が向上し、人
> 間が捻出しなければいけない労働力は減少しているのです。つまり、
> 社会全体では、人間の生活は楽になってきているのです。
で、楽になった人間に対して彼らに仕事がなかったら彼らはどうやって
生きていけば良いのでしょうか?彼らの生活の糧が必ず存在することが
前提ですよね?そこらへんを問題にしているのですが。
> > どちらにせよ、「便利になる」=「労力が減る」ということが社会全体で起これば
> > それによって減少した社会全体の労力分に相当する人間の仕事はなくなって
> > しまいます。それを穴埋めできるほど経済が拡大しなければ、今のシステムでは
> > 対処できないでしょうね。
>
> 「穴埋めできるほど経済が拡大」するから、「労力が減る」のです。
それをきちんと証明できたらノーベル賞でしょうね。つまり、新たなイノベーション
によって削減された労働力に相当する部分を労働人口を吸収できる産業が
新たに作られて経済が拡大することが一般的に言えるのかどうかです。
もし、そうなら自由主義市場経済はかなり堅牢なシステムということになります。
わたしの疑問は非常に素朴なものですからそういった新たな産業の創出による
労働人口の吸収であるとか経済拡大の2次的効果については考慮してません。
そこらへんをもっときちんと示せたらすごいことだと思いますが、経済学的に
きちんと示せるものなんでしょうかね?
> > 人間の仕事がなくなることはありません。それは私だって承知していることです。
> > そうでなくて、今ある単純労働の人口を賄いきれるほどの仕事を将来も供給し
> > 続けることが果たして出来るのだろうか?そのときの経済システムは?って
> > ことです。
>
> そんな心配は無用です。
> 一番の心配は、暇を持て余した人間がろくな事をしないことです。
> 便利さで忍耐力が低下したり、ロボット以下で存在価値を認められ
> ないようなことも、火に油を注ぐでしょう。
だからそれを心配してるんですが。
「貧困」→「暇を持て余す」→デモやテロ活動など反社会的活動に荷担する。
逆に「暇を持て余す」のは必ずしも「貧困」からくるとは限りません。
君が「暇人はろくなことをしない」というのはある意味真かもしれませんが、
その「ろくなこと」の質は置かれている状況によるのでしょう。むかしなら
反政府活動につながって社会不安を増しましたが、現代であればどうなる
んでしょうかね。
それら余剰労働力が技術革新やあるいは国家の財政事情とともに定常的に
垂れ流されればそれらが何をしでかすのかは予測がつきません。一種の公害です。
それらが臨界に達すればいわゆる相転移(昔で言えば革命)が起こってしまうかも
しれません。
それらは別に怠け者だからそうなるわけでなく、社会システムによって必然的に
作り出されてしまうものだから問題なんです。そういった問題をどうするのか真剣に
考えておかなければ現在のシステムが安定的に運営されるとは限らないと思います。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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