Re: マルキシズムと共産主義諸国の乖離を失業の切り口で考察−1
皆さんと別な観点から・・・
"SEO Shirou" <sessha@myself.com> wrote in message news:3f3f52fa$1_1@127.0.0.1...
> 言うような雰囲気が漂うのみ。資本主義においての独占や投機は、資本主義そ
> のものが本来的には否定しているものなのに、そうした資本主義の矛盾さえも
> 日本のように未発達な資本主義においては、批判することそのものが共産主義
> とレッテルを貼られる傾向にある。
それはないと思う。そうでなくて、「米英独占資本は・・・」とか「革命的・・・」とか
そういった単語を使うから行き着く先は私有財産没収の共産体制じゃないかって
勘ぐられるんじゃないの?
独占禁止法もありますけど、現実はいくつかのガリバー企業が市場を支配する構造に
変化はありません。実は、これはいくらガラガラポンをやっても必ず起こる現象で
企業所得は必ず階層化してしまいます。実はこういった現象は経済物理学の成果と
していくつかの単純なモデルを使って証明されています。企業所得の間にベキ乗則
が観測されていてそれは日本だけでなく普遍的な現象です。そういった階層構造は
企業間取引のダイナミクスによる定常状態として得られるんでしょうね。
これらは恐らく市場が完全には自由でなくなんらかの非線形な相互作用が存在する
ことによって起こる不可避な現象なのかもしれません。これらを防ぐには税制やその
他の規制によって市場のダイナミクスを修正することで可能になるのでしょう。
独占を防ぎ企業所得を平準化させるためには、企業取引等のダイナミクスを
数理モデル化して税制や公共投資やその他様々な企業所得に影響を与える
ものを考慮してシミュレーションしてみると良いかもしれません。そうすることで
最良の経済政策を決定できるかもしれません。
> レベルの低いプロパガンダで日本資本主義の未発達を覆い隠してもバブルと独
> 占という資本主義の自己矛盾を克服できない。口を封ずることなく議論すべき
> と見る。
資本主義というより自由主義市場経済ですね。市場経済を導入している以上
時としてバブルや暴落等の一種の相転移現象は起こりうるものなのでしょう。
だからといって、市場主義でないシステムはうまくいくとは限りません。実際、
私有財産を否定したいわゆる社会主義国のシステムは決定的な破綻をきたしました。
その失敗は人間の本質を見失ったことが最大の原因でしょう。人間には欲望によって
突き動かされるという面があるのにそういったものを否定してきれいごと(別な言い方
をすれば建前)だけで理論を構築したところに失敗の原因があるんだと思います。
ですから、共産主義の理想のようなことは「人間の欲望」をどう飼い慣らすかを
考えない限り失敗するということです。いわゆる共産圏は1人の権力欲が平準化
された市民をたやすく奴隷化することに成功したわけで、それはとりもなおさず
人間の欲望をコントロールするシステムが共産圏にはなかったということに
他なりません。権力の分散や民主主義という一種の市場主義が導入されていれば
こういったことは起こりづらかったのではないでしょうか?
もう1つの観点については次の投稿に譲ります。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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