常泉です。

それぞれの静止質量がma、mbの2つの物質Ma、Mbで構成する宇宙を考える。
Ma、Mbは相互作用するが、それ以外の物質が存在しないので、
お互い同士以外の物質と相互作用することはない。
最初に、Ma、Mbが非常に遠方に離れて静止状態で存在するとする。
するとこのとき、宇宙の全エネルギーEは
   E=ma×c^2+ mb×c^2
である。Ma、Mbは相互作用しており、万有引力でお互いを引きあっているので、
最初静止状態にあったMa、Mbの間には相対速度が生じる。
その相対速度がvになったときの両者の運動エネルギーEa、Ebは、
MaからMbを観測した場合、相対性理論では
   Eb=((1/(1- v^2/c^2)^1/2)-1)×mb×c^2
であり、MbからMaを観測した場合
   Ea=((1/(1- v^2/c^2)^1/2)-1)×ma×c^2
である。従って、そのときの全エネルギーEはそれぞれ
   E=ma×c^2+ mb×c^2/(1- v^2/c^2)^1/2
または
   E= ma×c^2/(1-v^2/c^2)^1/2+ mb×c^2
になる。さらにvが光速度cに近づくとEはvがcに近づくにつれ無限大に近づく。

この結果、
1:観測する系により全エネルギーが変化することは全エネルギーの概念に違反し
矛盾である。
2:最初に有限の全エネルギーであった宇宙が、2物質の相対速度が増加するに従い
その全エネルギーが増加し、最終的に無限大の全エネルギーを持つ宇宙にまで変化
することは矛盾である。
3:現実の物理量を表すエネルギー値に対し、無限大という無意味な数値を
与えなければならない理論はそれ自体欠陥を持つ、と言える。
等の問題点が相対性理論に存在することが分かる。

これに対し、全エネルギーの定義にはポテンシャルエネルギーを含めるべきで、
最初にポテンシャルエネルギーとして質量エネルギー以外のエネルギーが存在
している、という反論があるだろう。仮に、ポテンシャルエネルギーとして
最初に無限大のエネルギーが存在するとするならば、そのエネルギーの形態を
明示し無限大のエネルギーの意味を明確にできなければならない。
エネルギーと質量を等価とする相対性理論では、ポテンシャルエネルギーが
質量以外のどのような形態で存在するかを示すことができない。
さらに、質量以外のものから質量が生じることにもなり、
ニュートン力学と異なり、エネルギーと質量を等価とする相対性理論においては
これらは理論の欠陥を意味する。

また、Ma、Mb間において多少とも相対速度の発生を認める限り、
相対性理論では無限大という物理学上無意味なエネルギーの存在を回避できない。
仮に、最初から無限大のポテンシャルエネルギーが存在するわけではない
という反論があるとすれば、どのように無限大ではない有限値が決まるのか、
その理論的根拠を明示できなければならない。

このように、物理学的に説明不能のポテンシャルエネルギーを与えなければなら
ないとすれば、相対性理論は少なくとも物理理論として不十分であると言える。
従って、相対性理論は正しい理論とは言えない。

T理論においては運動エネルギーの値にかかわらず、
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを併せた全エネルギーは、
質量エネルギーに等しく、不変である。
従って、T理論ではこのような矛盾が生じることはない。

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「T理論」の骨子
1. 時間は普遍である。その反面、光速度は不変ではない。
2. 物質の波動関数は実在である。その反面、光は実在しない。
3. 運動により、質量エネルギーは不変である。
4. 力の大きさは従来の2倍である。
5. 速度の異なる系間では4元座標が均等に収縮する「T収縮」が起こる。

「T理論」から得られるいくつかの結果
1. 水星の近日点移動が軌道の数値計算から99.9%以上の正確さで計算できる。
   この軌道計算は任意の楕円運動で可能である。
2. 水素原子のエネルギー準位が従来より正確な値として与えられる。
   2S(1/2)、2P(1/2)に関しては、ディラック方程式の解に比べ
   実測値との誤差が10%以下になる。
常泉 浩志   <http://www3.ctktv.ne.jp/~tsuneizu/