F.K.と申します.

"Shinya Hayakawa" <tetryl@tokyoprogrammer.com> wrote in message
news:20030525151255.21EA.TETRYL@tokyoprogrammer.com...

> 環の定義は色々な教科書で見てきましたが、分配する側の演算を可換群に
> 限定しているものは初めてでした。

普通は書いてあると思いますが,当たり前だから書いてないものもあるかもしれ
ません.

> 単位的可換半群の方の演算で分配する事はできない証明
> といったものは可能なのでしょうか?

集合Rに演算+と*が定義されていて,
  +について可換群
  *について単位的可換半群
  a+(b*c)=(a+b)*(a+c)が任意のa,b,cで成立……(A)
とします.+についての単位元を0,*についてに単位元を1,+についてのaの逆元
を-aと記します.

このとき,
  0=a+(-a)=a+((-a)*1)=(a+(-a))*(a+1)=0*(a+1)
であり,aは任意ですからa+1も任意なので,任意のaに対し,
  0=0*a
となります.これを用いると,任意のaに対し
  a=a+((-a)*0)=(a+(-a))*(a+0)=0*a=0
となり,R={0}となります.

以上,条件(A)を満たす代数系はtrivialであることが示されました.

> 単純に、分配律は優先順位の低い方の演算で分配しなければならない
> といった説明だと自分のような素人でも合点がいくのですが
> それだと語弊が生じてしまうのでしょうか。
>
> そもそも群や環の定義で+が加法である必要も、・が乗法である必要もないと
> とらえていたのですが、それだと分配律が説明できないですよね..

ここはおっしゃる意味がよく分かりません.