日本は列島の文字の通り島国である。
 取分け是と言った資源に恵まれている訳では無い。
 唯一の資源は勤勉な国民性と石灰岩、漁業資源程度であった。

 かつて、捕鯨基地を求めてぺり-が来航し、開国に至った。
 マルコポ−ロの記述の通りならば、我々は今頃は金銀に恵まれ、何不自由無い生活をしていたかも知れない。
 列強の狭間で、此れと言った資源が無い御蔭で、AA諸国の中で植民地とならなかった稀有の国である。

 数少ない資源の中で、最も重要な人的資源は確かに枯渇して来ている。
 物を造るだけならば、人件費の安い国は幾らでもある。安価な物は彼等に任せれば良い。
 さて、何故人的資源が枯渇して来たのだろうか?

 最大の原因は教育にある。先ず家庭内での教育が行われていない。
 次に、能力の如何に関らず大学に進学させようとする。今では新幹線の駅の数よりも遥かに大学の数が多い。
 その、大学は少子化とやらで学生集めに奔走し、不法就労の隠れ蓑となった処さえ存在する。

 大学に行って、目的の会社に入ったら一生安泰と考えている馬鹿者と、目的を持たず社会に放り出されて、仕事は会社が教えると思っている者が多い。
 サラリ-マンは気楽ではやって行けない、必然的に日々必要な額をバイトで稼ぐ生活に至る様子だが、バイトが出来る年齢は限られ、且つ収入も目に見えている。
 自分の仕事が出来る迄には、通常どんな企業でも十数年必要だし、昨日今日入社した者を充てにしていたら企業は機能しなくなる。

 指定校制度が無くなって、一般大学や高校からの入社して来る者の比率が増えると共に中途退職者の数は増加し、若年化して来ており、理由も家庭の事情や本人の身体的理由から、期待していた仕事が出来ない、思う様な仕事では無かった等初任者研修時点から甘えた声が聞かれる。
 企業は慈善事業では無い。社内教育は極力時間を割いているが、大学卒の者に中学校や高校程度の学力と、運動能力さえ無くなって来ており、それでも彼等は学卒と言う。 何処で何を教わったのか疑問だ。
 
 情報の集約化と解析が早くなり、最早何時か役に立つだろう人材は、そんなに多く必要としない。
 的確な判断と行動力の有る人材は数%に過ぎない時代となった。
 プラントを海外にシフトした方が、企業としての利益は見込める。最早この国の人材は余りあてに出来ないと思うのは、私だけだろうか?

 彼らに何が欠如しているか、真剣に考える者もいないのでは無いだろうか?
 本来家庭が行うべき、社会人としてのマナ−から教えなければならないだろう・・・