【第一章】 3 (QQ星と羽の話)

QQ星のねずみと、地球ねずみの決定的な違いは三つ、、身体の大きさと、大空にはばたける、広げるとかなり大きくなる羽がある事と、QQ星は科学進歩がめざましいこと。
その、地球外ねずみの私が、ふとした事で、地球に住み着くことになり、しかも、地球の女ねずみと家庭を持ち子供も出来た。 
その子供が私の血をひいて羽つきねずみになった。
私は地球に来る前、自分の故郷では、羽つきねずみは当たり前なのだが、嫁は羽無しねずみで、子供に羽が付いていると、何か違和感を感じて納得が出来ないらしい。

その羽というのは、普段たたんでいるとほとんど目立たないから、とにかく気にするなと、何度説得しても承知しない、、あげく、別れると言い出したのだ。
しかも、子供は、私に押し付けるという始末だ。

子供にとって、母親は大事だし、男の自分に子育てなんぞ嫌だしなあ、、ほとほと困って、あれこれ、考えた挙句の果てに、子供もつれて、嫁もつれてQQ星に、一時帰って、嫁の背中に羽を付ける手術をしようという事になった。

その羽を納得させたのは、そう、嫁を抱えて大空を飛んでみたのだ。大空から見る地上景色のすばらしさ、そして、我がQQ星の医学の進歩では羽は簡単に手術で付けれると、繰り返し、説明して納得させての事だった。
しかし、私が嫁を抱えて大空飛んだ時、嫁は目を輝かせて喜んだねえ、、「猫」という、恐ろしい天敵に、羽さえあればすぐ逃げられるし、大きな羽見ただけで猫が退散してくるしね。
猫とは案外臆病ものなんだろろぅなぁ・・・と、私は思った。

家族七匹で、嫁を抱えて、一路QQ星に、、、長い長いお空の旅だった。
そして、私の、甥っ子の、なんでも博士に頼み込んで、嫁の背中に羽をつけて貰った。 


無事手術は成功し、地球への帰還は、自前の羽で、自力で、、長い長い飛行の末に地球に帰ってきたのだった。


nakanishi