自衛隊が軍隊でないなどという議論は天皇はシンボルであって元首でないとい
う議論と同じ種類のものだとい思いますね。あるいは敗戦記念日が終戦記念日
になってるようなものです。

ことばの概念をいろいろとってつけてこねくり回す手法に日本国民は翻弄され
てきた。
【名辞定義】と【事物定義】という古典論理学の定義理論にもとづいていえ
ば、天皇も元首も敗戦も終戦も、判断(Urteil)ではない。しかし、天
皇をシンボル論として戦後憲法に存在させるに当たっては天皇という言葉に、
元首であるかないかという判断(Urteil)をもたせていることは明らか
でしょう。【名辞定義】が、(事物の本質を規定する)【事物定義】に即座に
置き換わり、日常会話言語から見れば、天皇という存在も象徴という存在も元
首という存在も、訳の分からない雲の上の対象となってしまう。

べつに古典論理学に限らなくてもいいですが、話の切り口として古典論理学の
定義にも基づいてお話させていただくなら、
国家権力がコントロールする戦力を、自衛隊と呼ぼうが国軍と呼ぼうがレジス
タンスと呼ぼうが、【名辞定義】から、【事物定義】にすりかわると、日常会
話言語での議論では、上の天皇のときとおなじく議論としては混乱して訳のわ
からないものになる。
日常会話言語では、国家権力による軍事力を持った組織=日本国家の軍事力で
すよ。これを国民感覚においては、あるいは世界を場にした日常会話言語にお
いても、ジャパニーズ・アーミィは立派に日本軍ですよ。

日常会話言語の話をしているのではないとおっしゃるなら、
(1)自衛隊という言葉を軍という言葉と同義に用いないことにしよう、ある
いは用いることにしよう、というような、決定(定義)、すなわち約束定義な
のか
(2)自衛隊という言葉で指示されている対象は、軍という言葉で支持されて
いる対象とは違う、同じ、という対象の性質についての主張(経験分析)なの
か
(3)自衛隊という言葉は、軍という言葉と同義で用いられている、いない、
という言葉の用法についての主張(意味分析)なのか

どれでしょうね。

Fatmanさんの<en04eg$h34$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>から
>Joe Keen wrote:
>
>> 自衛隊は事実上も国軍ではない。単なる軍事力。
> > 脱走兵を死刑や終身刑に処すことができない軍事組織は、軍隊では
>> ないのだよ。
>
>(参考)
>「軍隊」とは国境および内地を防御すべき壮者の集合したものをいう(明治15
>年、陸軍士官学校「兵学教程読本」。
>(原書房「戦略・戦術用語事典」より)

は、参考文献を通して 上記(2)対象の性質(経験分析)、(3)言葉の用
法について(意味分析)ですね。

Joe Keenさんは、どういう種類の定義なのでしょうね。

日常会話言語に基づく議論としては、日本を含む世界のぼんくら選挙民にとっ
ては、国家権力にコントロールされた軍事力を保有する組織は、どうみてもレ
ジスタンスじゃない。日本【軍】です。

改憲して自衛隊と名辞定義されたものを日本軍と名辞定義すれば、明日からで
も通用するものです、看板を架け替えれば。




Joe Keenさんの<458deca4.3411%mgpot@hotmail.com>から
>Quoted from <em8d9d$nof$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>
>Dated approximately Tue, 19 Dec 2006 19:01:52 +0900
>Posted by Fatman <easyfatman@yahoo.co.jp>
>>
>> 自衛隊の名前に「軍」がつかないのが気に入らないようだが、自衛隊は事実上は
>> 「国軍」であるから、谷村君としてはそれほど憤慨するようなことではないと思
>> うのだが。名前にこだわる必要はないだろう。
>
>自衛隊は事実上も国軍ではない。単なる軍事力。
>
>軍隊とは、軍事要因を職務に強力に縛るシステム、つまり、軍法会
>議や軍事裁判所を備えた軍事組織だ。こういう組織は、他国に侵攻
>することができる。
>
>脱走兵を死刑や終身刑に処すことができない軍事組織は、軍隊では
>ないのだよ。
>
>――
>
>アンケート
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